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データセンターとは?クラウドとの違いやメリット・デメリットを解説

公開
データセンターの解説

データセンターは、企業のITインフラを支える重要な役割を果たしていますが、近年はクラウドとの違いが注目されています。

本記事では、データセンターの特徴や、クラウドとの比較、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。

データセンターとは

データセンターは、企業や組織がITインフラを集中管理し、データ、アプリケーション、システムを安全に保管・運用するための専用施設です。

ビジネスの継続性を支える重要な役割を果たし、現代の情報社会において不可欠な基盤となっています。

まずは、そんなデータセンターの役割や具体的にどのような設備があるのかをご紹介いたします。

データセンターの役割

データセンターは、単なるデータ保存場所ではなく、さまざまな機能を持っています。主な役割には以下のものがあります。

データセンターの役割
  1. データの安全な保管と管理
  2. アプリケーションとサービスの安定稼働
  3. 高性能ネットワークの提供
  4. セキュリティの強化

データセンターは膨大な量のデータを一元管理し、常に安全な状態で保管します。障害やセキュリティ侵害からデータを保護し、万が一の災害時にもデータが失われないようにするバックアップシステムも備えています。

また、企業の主要なアプリケーションやウェブサービスが24時間365日安定して稼働するためのインフラの提供という側面もあります。これにより、ビジネスの継続性が確保され、顧客に対して途切れることのないサービスを提供できます。

当然そのためには、高速かつ安定したネットワーク接続が要求されます。一般家庭の光回線よりも速度、トラフィック量が強化されたネットワーク環境を整えることにより、データの転送やアクセスをスムーズに行える環境を提供できるようになります。

そしてデータセンターの差別化ポイントにもなる厳重な物理的およびデジタルセキュリティ対策も重要な役割の一つです。サイバー攻撃やデータ侵害だけではなく、地震や津波といった自然災害や停電などに対応できる多層的なセキュリティシステムが構築されており、アクセス制限や監視システムも完備されています。

データセンターの設備

データセンターは、ITインフラを支えるためにさまざまな設備を備えています。これらの設備は、信頼性、セキュリティ、効率性を高めるために設計されています。

サーバールーム

データセンターの中心となるのは、膨大な数のサーバーを収容するサーバールームです。これらのサーバーは、データの保管、処理、アプリケーションの実行を行い、安定的に稼働します。
サーバールームの中には物理スペースが設けられており、そこにサーバーラックを設置し、その中にサーバーやデータストレージなどを配置することになります。

冷却システム

サーバーやストレージ機器は高熱を発生させるため、サーバールーム内の温度を適切に管理するための冷却システムが必須です。冷却が不十分だと機器が故障し、システムダウンのリスクが高まります。空調システムや水冷式冷却システムなどが一般的です。

電源供給設備

データセンターは、安定した電源供給がなければ稼働できません。万が一の停電に備えて、無停電電源装置(UPS)やディーゼル発電機が設置されており、電力供給の途絶を防ぎます。また、複数の電力供給ルートを設けて、冗長化された電源管理が行われます。

物理的セキュリティ設備

データセンターの安全性を高めるため、建物自体にも高度なセキュリティ対策が施されています。生体認証や監視カメラ、アクセス制御システムが導入され、外部からの不正アクセスを防止します。また、防火設備や防災対策も完備されており、災害時にも安全を確保します。

災害対策設備

日本のような災害大国では、災害対策の設備は必須です。具体的には建物の耐震構造、災害時にも影響を受けにくい立地自体であることも重要です。なお、電源共有設備としてご紹介した無停電電源装置(UPS)やディーゼル発電機は災害対策設備にも分類されます。

ネットワークインフラ

データセンターでは、高速で安定した通信を実現するため、最先端のネットワークインフラが整備されています。複数のインターネット接続ルートを持ち、トラフィックの増減にも対応できる柔軟なネットワーク設計が重要です。

データセンターの提供サービス

データセンターで提供しているサービスは主に以下の2つです。

データセンターの提供サービス
  • ハウジング・コロケーション
  • ホスティングサービス
  • クラウド環境の提供

ハウジング・コロケーション

データセンターの提供サービスの中で最も一般的なものは、ハウジングやコロケーションとなります。

ハウジングはデータセンターにサーバーを持ち込み、契約内容に含まれるデータセンター内のラックや設備など利用してサーバー運用を行い、コロケーションはラック1台やフロア自体をレンタルするというハウジングよりも規模感の大きなサービスとなります。
こういったサービスを利用することでサーバーの管理場所や空調管理だけではなく、サーバーの管理や運用に必要な高度な設備や専門知識を自社で持つ必要がなくなります。

ホスティングサービス

データセンターによって提供有無は異なりますが、他にもホスティングサービスを提供している場合もあります。
ホスティングサービスでは、サーバー自体もデータセンター側が用意したものを利用できるため、自社で何かしらのハードウェアを用意する必要がなく、手軽にサーバーを利用することができます。

クラウド

同様にデータセンターによってはクラウド環境も提供している場合もあり(詳細は後述)、それぞれのサービスでデータセンターの特色が表れやすくなっています。

データセンターの用途

一口でデータセンターと言っても、実はその用途は一つではありません。

企業が抱える課題によってデータセンターの活用方法は異なりますので、データセンターが具体的にどのような用途で利用されているのかについてもご紹介いたします。

データ保存とバックアップ

データセンターの最も基本的な用途は、企業や組織のデータを安全に保存・管理することに利用されます。

特に、大量の顧客データや業務データを扱う企業にとって、データセンターは、データ損失を防ぐために不可欠な施設です。定期的なバックアップを行い、災害や障害に備えてデータの復旧を容易にします。

災害復旧(ディザスタリカバリ)

企業は事業継続計画(BCP)の一環として災害やシステム障害が発生した際に、迅速に業務を再開するための災害復旧(ディザスタリカバリ)としてもデータセンターが利用されます。

地理的に離れた場所にあるデータセンターにデータをミラーリング(同期)することで、災害時にも重要なデータを失わずに済むようにしています。(例:関東と関西の2拠点にバックアップデータを配置)

Webサイトやアプリケーションの運用

Webサイトやアプリケーションを安定的に稼働させるために、データセンターが利用されます。

特に大規模なトラフィックが発生するEコマースサイトや、オンラインサービス、ゲームなどのアプリケーションは、データセンター内でホスティングされることで、高いパフォーマンスと安定性を確保します。

クラウドサービスの基盤

クラウドコンピューティングのインフラとしても、データセンターが活用されています。多くのクラウドプロバイダーは、自社のデータセンターを持ち、そこからクラウドサービスを提供しています。

企業はクラウドサービスを通じて、データセンターのリソースにリモートでアクセスし、ITインフラを管理できます。

データ解析とビッグデータの処理

データセンターは、ビッグデータの処理や高度なデータ解析のためのリソースとしても利用されています。

企業は、膨大な量のデータを収集・解析し、そこからビジネスインサイトを得るために、データセンターの計算能力を活用しています。これにより、製品開発やマーケティング戦略の改善に役立てられています。

その他

データセンターは上記以外にも以下のような用途で利用されることがあります。

  • 通信インフラの運用
  • 金融システムの運用
  • 研究機関や教育機関での利用
  • 動画配信やオンラインゲーム運営などの利用
  • IoTデバイスのデータ管理

最近ではAI関連のデータ活用にもデータセンターが使われるようになっており、今後も様々な用途で活用されることが見込まれます。

データセンターとクラウドとの違い

データセンターとクラウドは、どちらも企業のITインフラを支える重要な要素ですが、仕組みや運用方法に大きな違いがあります。

データセンターは物理的な施設であり、クラウドはインターネットを介してリソースを提供する仮想的な環境です。ここでは、両者の特徴と、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説します。

データセンターの特徴

データセンターは、企業が所有またはレンタルして運営する物理的な施設であり、次のような特徴があります。

特徴詳細
物理的管理データセンターは、サーバーやストレージ、ネットワーク機器が設置された実際の建物で、企業(利用者)が直接設備を管理します。
場所や設備の選定、運用に関する自由度が高い一方、運用には専門知識や人材が必要です。
カスタマイズ性企業のニーズに応じて、ハードウェアやソフトウェアを柔軟にカスタマイズできます。
特定の業界や業務に特化したシステムを構築でき、個別のセキュリティ要件にも対応可能です。
高いセキュリティ物理的な設備を厳重に管理するため、データやシステムの安全性を自社でコントロールできるメリットがあります。
特に、機密情報を扱う企業にとっては重要です。
高コスト初期投資や運用コストが高く、設備の購入、メンテナンス、冷却システム、電力供給など、多くのコストが発生します。
中小企業にとっては負担となる場合があります。

クラウドの特徴

データセンターに対して、クラウドは、インターネットを介して提供される仮想的なリソースです。

クラウドの特徴としては、次のような項目があります。

特徴詳細
オンデマンドでの
リソース利用
クラウドは、必要なときに必要なだけリソースを利用できる仕組みが整っています。
スケーラビリティが高く、企業は使用する分だけコストを支払うため、資源の無駄が少なくて済みます。
物理的なインフラ不要クラウド環境は物理的な設備を持たず、サーバーの管理や保守もクラウドプロバイダー側が行います。
これにより、企業はハードウェア管理の負担を大幅に軽減できます。
アクセスの柔軟性クラウドサービスは、どこからでもインターネット経由でアクセスできるため、リモートワークや多拠点での業務にも適しています。
また、グローバルに展開する企業にとっても、分散型の運用が可能です。
セキュリティの一部は
プロバイダーに依存
クラウドサービスのセキュリティはプロバイダーに依存する部分が大きくなります。
高度なセキュリティ対策が施されているものの、自社で物理的にコントロールすることが難しいため、業界によってはクラウド利用が制限されることもあります。

それぞれのメリット・デメリット

上記を踏まえて、それぞれのメリット・デメリットは以下のようにまとめることができます。

メリットデメリット
データセンター・カスタマイズの自由度
・高度なセキュリティレベル
・法規制の対応
・BCP対策として有効
・大容量かつ高速通信が可能
・初期投資と維持コストが高い
・スケーラビリティの限界
クラウド・コスト効率が良い
・スケーラビリティ
・運用の簡易さ
・データ保護の依存度が高い
・加須天伊豆の限界がある

データセンターは、物理的な管理と高いカスタマイズ性を求める企業に向いていますが、クラウドは柔軟なスケーラビリティとコスト効率を重視する企業に適しています。
また、データセンターを利用する場合は拠点間を他社の影響がない専用回線で結ぶため、大容量・高速通信といったクラウドにはない利点があります。

実際にこの2択で検討を進める場合は、企業のニーズやビジネス規模に応じて、最適な選択肢を検討することが重要です。

なお、データセンターで検討を進められる場合は以下の記事で選定ポイントについてもご紹介しておりますので、ご興味がございましたらご覧ください。

データセンター選定に役立つ5つのチェックポイント

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KAGOYAのデータセンター

KAGOYAではKAGOYA DC+というデータセンターサービスを提供しています。

データセンターは災害に強い「けいはんな学術研究都市」に立地し、前述でご紹介した設備はすべて完備。

大阪市内や京都市内から45分以内にアクセスが可能で、データセンター内のサーバーや設備は専任の技術者による24時間365日体制で監視を行っています。

KAGOYA DC+内にある各設備の詳細

利用形態に応じてネットワークの設計や構築可能で、お客様専用の作業スペースもご用意しております。

保守サービスや帯域に関するオプションもご用意しておりますので、ご不明点や見学をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

DC+ (ハウジング・コロケーション)| KAGOYA

KAGOYA DC+はクォーターラックからフロアスペースまで、必要に応じたスペースをご利用いただけます。自社保有のデータセンターは耐震・免振設計で、災害に強い立地のため、BCP/DR拠点にも最適です。

まとめ

データセンターは、企業のITインフラを支える中心的な役割を果たし、物理的な設備を自社で管理することによって高いカスタマイズ性とセキュリティを確保できるのが大きな強みです。

特に、機密性の高いデータを扱う業界や、法規制に準拠する必要がある企業にとっては、データセンターの安定性と信頼性は非常に重要です。

クラウドが提供する柔軟性やコスト効率も魅力的ですが、データセンターの直接的な管理と制御は依然として大きな価値を持っています。

だからといって一つに絞る必要はなく、自社のビジネスニーズに合わせてデータセンターの利用を最適化し、必要に応じてクラウドとの併用を検討することで、より堅牢で効率的なITインフラを構築することも可能ですので、そういった可能性も含めてご検討いただければと思います。

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