働き方改革や新型コロナウイルス感染拡大予防のため、リモートワークの環境構築の必要性が増しています。そんな中で、その有力な方法の1つとしてあげられているのがシンクライアント(※)です。シンクライアントが導入されれば、出先や自宅でも社内と同じデスクトップやデータをセキュアに扱うことができるようになります。
この記事では、株式会社インフィニティの代表取締役社長 大畑祐貴様に現在の日本におけるリモートワークの現状や必要性について解説いただくと共に、中小企業向けのシンクライアントソリューション「Office Cloud」の魅力について解説いただきます。
アプリケーションの実行やデータの管理をサーバーに任せ、手元のクライアント端末ではその処理結果を閲覧できるようにする仕組み。クライアント端末は必要最小限の性能があれば使える上に、データがクライアント端末に保存されないため情報漏えい対策になるといったメリットがある。昨今では、リモートワークを実現する手段としても注目されている。
目次
株式会社インフィニティの創業の経緯
カゴヤ・ジャパン 相原:
まずは御社の創業の経緯を教えていただけますか?
インフィニティ 大畑様:
インフィニティは、2008年にシステムコンサルタントを行う有限会社インプルーブ(現在は「株式会社インプルーブ」)から分社して設立いたしました。有限会社インプルーブでは、リモートデスクトップシステム等のシステムコンサルトをしていたのですが、コンサルタントの業務であると、システム稼働後に発生したトラブルまでは本来関与しないんですね。
けれど実際には、お客様側ではどうにもできないので、サポートすることがありました。たとえば山奥にあるスキー場のシステムが動かなくなったという連絡をいただいて、そこまで行った挙句にLANケーブルが抜けているだけだったというようなこともあって…。
カゴヤ・ジャパン 相原:
それは大変ですね…。
インフィニティ 大畑様:
ええ…。そういうことがあって、リモートサポートから始めてきちんと切り分けをして解決していけば、サービスを提供する側としてもお客様としても楽だよな、という思いがありました。
カゴヤ・ジャパン 相原:
リモートである程度切り分けができれば、LANケーブルや電源の問題も明確に疑えるから、現地にいるお客様自身でチェックいただけますしね。
インフィニティ 大畑様:
そうなんです。そういったサポートも実務に含めたサービスを提供したいという思いから株式会社インフィニティを立ち上げました。
カゴヤ・ジャパン 相原:
そのお考えが、本日ご紹介いただく24時間365日のサポート付きのシンクライアントサービス『Office Cloud』につながっていくわけですね。
インフィニティ 大畑様:
そうですね。
カゴヤ・ジャパン 相原:
どのくらいの数のお客様が御社のサポートサービスをご利用されていますか?
インフィニティ 大畑様:
はい、サポート付きのシンクライアントサービスを利用いただいているお客様はだいたい200社を超えており、少しずつ広まってきたかなという感じですね。
カゴヤ・ジャパン 相原:
多くのお客様が、御社のサポートを利用されているのですね。
日本におけるリモートワークの現状と必要性
カゴヤ・ジャパン 相原:
新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、リモートワークを導入する企業が増えています。シンクライアントのサービスを長年提供されている御社からみて、日本におけるリモートワークの現状や必要性についてはどのようにお考えですか?
インフィニティ 大畑様:
おっしゃるように、新型コロナウイルスの感染が広がることがなければ、中小企業にこれだけリモートワークが浸透することはなかったとは思うのですが、100%完全にリモートワーク化できるわけではないんですね。
製造業なら工場で働くメンバーが必要ですし、デスクワークの方でも、たとえば税理士さんは完全リモートワークにすると税理士法違反になってしまう。税理申告というのは、基本的に登記されている事務所でしないといけないので、どうしても事務所が必要になります。
また、リモートワーク実現のために必要となるペーパーレス化にしても、ペーパーレスにすることで1度電子化が必要なので、かえってリモートワークにすることによって生産性が落ちてしまうこともあります。だからリモートワークを導入することによって生産性を上げるというより、落とさないようにする努力が必要になることもあるのです。
カゴヤ・ジャパン 相原:
必ずしも完全なリモートワークを実現できるわけではないし、またリモートワークにもデメリットがある、ということですね。
インフィニティ 大畑様:
はい。ただ一方で100%でないにしてもリモートワークという選択肢がある企業とそうでない企業とでは、大きな差がついてしまうという面もあると思います。
カゴヤ・ジャパン 相原:
と、言いますと。
インフィニティ 大畑様:
日本の企業のなかにリモートワークができて当然という感覚があって、取引先が全くできていないとなると『どうして?』という疑問を持たれるような状況になっているんです。
カゴヤ・ジャパン 相原:
なるほど、確かにリモートワークが全くできずに業務がとまってしまうと、取引先も困りますからね。
インフィニティ 大畑様:
はい。それに採用の視点でみても、リモートワークが導入されていない企業は面接に来る人から怪訝に感じられてしまうようです。
カゴヤ・ジャパン 相原:
人事採用の面でもリモートワーク導入済の企業とそうでない企業で差がついてしまうということですね。
お話をまとめると、100%でないにしろ企業はリモートワークを導入する必要性があって、もし導入していないと他企業から差をつけられてしまう、と。
インフィニティ 大畑様:
その通りです。
カゴヤ・ジャパン 相原:
業務の環境やどれだけリモートワーク化できるかは企業によってそれぞれですから、自社にあったかたちでのリモートワーク導入が必要そうですね。
中小企業専用シンクライアント「Office Cloud」の魅力
カゴヤ・ジャパン 相原:
それでは次に、Office Cloudについて紹介いただけますか?
インフィニティ 大畑様:
Office Cloudは中小企業向けにつくった、オーダーメード型のシンクライアントサービスです。お客様の環境にあわせたかたちで、よりよくリモートワークに移行できるような提案を行います。くわえて本サービスには、シンクライアント環境の構築から、運用、さらに24時間365日でのリモートサポートまで含まれています。
カゴヤ・ジャパン 相原:
サービス1つで自社にあった環境の提案をしてくれる上に、環境構築、運用開始後のサポートまで面倒をみてもらえるということですね。それなら、ITに詳しくない企業でも心強いですね。
競合する他社サービスと比べたOffice Cloudの強みはなんでしょうか?
インフィニティ 大畑様:
まず、せっかく作った環境を運用してもらわないと意味がないと思っているので、トラブル対応のサポートだけでなく、運用していく上でのノウハウに関する相談も行わせていただく点ですね。
カゴヤ・ジャパン 相原:
苦労してIT環境を立ち上げても、その運用に苦戦して社内であまり活用してもらえないと悩んでいるお客様も多いですから、ノウハウに関する相談にものってもらえるのは助かりますね。
インフィニティ 大畑様:
ITの環境を作って生産性を上げていただく、売上をあげていただくためのお手伝いをするというコンセプトのもとに業務を行っておりますので、ありがたいことにお客様から高い信頼をいただいているという自負はあります。
カゴヤ・ジャパン 相原:
その他に、差別化できる部分はありますか?
インフィニティ 大畑様:
はい、24時間365日のサポートを、環境の構築から行っている技術スタッフが一貫して行っているというのもOffice Cloudの大きな特徴ですね。
カゴヤ・ジャパン 相原:
環境を熟知した技術スタッフの方が、直接サポートされているということですね。それなら、間にサポート担当のスタッフが挟まるよりスムーズにトラブル解決ができそうですね。
インフィニティ 大畑様:
はい。
カゴヤ・ジャパン 相原:
Office Cloudはサーバーベース型(※)がメインのシンクライアントサービスとのことで、ソフトウェアによっては使えないというデメリットがあると思います。その点は、いかがでしょうか?
※サーバーベース型のシンクライアントサービス
サーバーにインストールされたアプリケーションを、ユーザーが共有するタイプのシンクライアントサービス。
インフィニティ 大畑様:
はい、おっしゃるようにサーバーベース型では、確かにWindowsサーバーで稼働できないソフトウェアは使えません。
ただし、そういったアプリケーションに限りVDI型(※)の仮想デスクトップを利用いただくなど、環境を複合化することによって基本的には解決できると考えています。
※VDI型のシンクライアントサービス
サーバー上で仮想のデスクトップ環境を複数生成・管理し、ユーザーがそれぞれ個別の仮想デスクトップを利用するタイプのシンクライアントサービス。
あとはCADのように高いスペックを必要とするソフトウェアの場合、無理してシンクライアントで使おうすると、その分サーバーの性能も必要となりますのでお金がかかってしまいます。そのため、CADは手元のスペックの高いパソコンで使うけれど、その他の業務関係のソフトウェアはリモートのシンクライアント環境を使ってもらうというような運用をしていただければよいと思います。
カゴヤ・ジャパン 相原:
お客様の環境にあわせて、サーバーベース型だけでなくVDI型の仮想デスクトップなども提案されるのですね。
インフィニティ 大畑様:
はい、Office Cloudの仮想デスクトップはサーバーベース型が基本ですが、お客様の環境によってはVDI型なども組み合わせて提案させていただくことがあります。
カゴヤ・ジャパン 相原:
サーバーベース型とVDI型の仮想デスクトップなどを組み合わせて使うのは、大変ではないですか?
インフィニティ 大畑様:
慣れは必要ですが、慣れてしまえば問題はないですよ。
Office Cloudを導入するために最低限必要なこと
カゴヤ・ジャパン 相原:
Office Cloudを導入する場合、どのくらいの費用が必要でしょうか?
インフィニティ 大畑様:
シンクライアントを利用する人数が少ないから安くなるというわけでなく、一概にどのくらいというかは難しいところですが、安価なレンタルサーバーなどを使うなどして最低100万円ぐらいからですね。
一方、オンプレでサーバーを構築してシンクライアントを実現するとなると、レンタルサーバーを使うときと比べ数倍以上の費用が必要になりますね。
カゴヤ・ジャパン 相原:
ありがとうございます。それでは初期費用以外に、導入の際に最低限必要となるものはありますか?
インフィニティ 大畑様:
そうですね。Office Cloudを導入してどうしたいかという具体的な『目的』をはっきりさせていただくことですね。
カゴヤ・ジャパン 相原:
と、言いますと。
インフィニティ 大畑様:
その他、どういうものが必要になるかはサービス導入時のヒアリングでどうにかできるのですが、目的が曖昧なのが一番大変です。
たとえば助成金を使って何かを良くしたいとだけ言われることがありますが、仮にリモートワークを導入するにしてもルール作りも必要になってくるので、提案が難しくなってしまうのです。
カゴヤ・ジャパン 相原:
サービスを導入する目的だけしっかり決めておけば、あとは環境構築のコンサルティングから手取り足取り行っていただけるということですね。
リモートワークの環境整備は今がチャンス
カゴヤ・ジャパン 相原:
Office Cloudを使ってリモートワークの環境を整備するために、今は政府からの助成金が使えますよね。
インフィニティ 大畑様:
はい、そうですね。たとえばサービス導入に400万円ぐらいかかる場合、今ならそのうちの3/4ぐらいは助成金で賄えるので、実質100万円ぐらいで導入できますよ、といった話はお客様にさせていただいていますね。
カゴヤ・ジャパン 相原:
リモートワークの環境を整備するのに、助成金の存在は大きいですね。
インフィニティ 大畑様:
はい。助成金を上限ぎりぎりまで活用しましょうという提案もさせていただいています。たとえば、シンクライアントを導入するにあたって、ネットワークを強化したり専用の端末も一緒に購入したりといったケースも増えていますね。
カゴヤ・ジャパン 相原:
リモートワーク導入を検討されているお客様にとっては、いろいろな助成金が活用できる今がチャンスですね。
まとめ
働き方改革の推進が求められているのに加え、withコロナ時代の「新しい働き方」の用意が必要とされる中、シンクライアントはリモートワークを実現するための非常に有効なソリューションと言えます。しかしながら、ITの専門部署を持たない中小企業では、シンクライアントの導入には様々なハードルも考えられ簡単ではありません。
その点、中小企業向けのシンクライアントソリューション「Office Cloud」であれば、環境構築の相談から構築、運用、サポートに至るまでワンストップで提供してくれます。現在はリモートワーク環境構築のために使える助成金も充実しており、リモートワーク環境を導入するチャンスです。