プログラミングをせずにアプリケーションの開発ができるノーコードツールの中でも、汎用度の高いツールであるBubble(バブル)。Bubbleを活用することで、プログラミング経験の無いエンジニアでも、Webアプリやスマートフォンアプリの開発ができるようになります。
しかし、Bubbleとはどんな特徴のあるツールなのか、ご存知ない方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、Bubbleの料金やメリットについて、詳しく解説します。
目次
ノーコード開発ツールBubbleとは?
Bubble(バブル)は、ノーコードでWebアプリケーションを開発できるサービスです。ノーコードツールのため、ドラッグ&ドッロップによって直感的に操作できるため、ビジュアルプログラミングとも呼ばれています。
また、デザイン性やシステム処理、データベースの構造など、それぞれが他のノーコードツールに比べて自由度が高いことから、複雑なアプリ開発ができるという特徴があります。
2021年にアメリカで誕生したBubbleは、アプリの開発からリリースまでをブラウザのみで完結できます。よって、データベースやサーバなどの環境構築は不要です。
現在、全世界で25万人以上が、Bubbleを利用していると言われています。コミュニティがとても巨大なことから、プラグインが1000種、テンプレートが約400種以上も存在しています。
従来のソースコードを書くプログラミング開発に比べて、学習期間が非常に短いため、プログラミングで挫折したエンジニアが、Bubbleを活用してアプリ開発に再チャレンジする例もあるようです。
Bubbleはどんなプロダクトが開発できる?
Bubbleを活用することで、以下にあげるようなことが実現できます。
- 高度なWebアプリ開発
- デザイン性のあるLPの制作
- ネイティブアプリの開発
- 外部のサービスとの連携
- HTML/CSS,JavaScriptの実行
- 高いセキュリティ設定
開発費用を安く抑えられ、開発速度も短縮できることから、ベンチャー企業などのスタートアップが初めて売り出すサービスとして注目されています。
インフルエンサーと企業、就職企業者と企業などのマッチングアプリや、レストランやカフェの検索アプリ、旅行のスケジュール管理アプリなど、幅広い用途のアプリ開発に役立てられています。
一方で、Bubbleでは開発できないものとして、以下のようなものがあげられます。
- ゲーム開発
- SEOを必要としたWebサイト
- 複雑なアルゴリズムの開発
- 表示速度が速いアプリ
- HTML/CSS、JavaScript 以外の実行
- コードのエクスポート
開発するプロダクトにおいて、Bubbleを活用することが最適かどうかを事前に把握する必要があります。
Bubbleの開発事例
ここでは、Bubbleで開発事例について、それぞれ用途の異なる分野のアプリを複数紹介します。
● Webアプリ→生徒と指導者のマッチングアプリ(Marlow)
Marlow(マーロウ)は、技術を勉強したい人と、技術のスキルや知識に長けた人をマッチングさせるアプリです。
● スマートフォンアプリ→ 旅行スケジュール作成アプリ(TRIP BOOK)
TRIP BOOK(トリップブック)は、過去実際に計画した旅行のスケジュールを参考にすることで、自分で旅程を作成する手間を省けるアプリです。
● 国内サービス→ 本屋・ブックカフェ検索アプリ(LIBRIS)
LIBRIS(リーブリス)は、ユーザーが好きな「本屋」や、喫茶店が併設されている「ブックカフェ」を検索できるアプリです。
● 海外サービス→ 言語学習のeラーニングアプリ(Beelango)
Beelango(ビーランゴ)は、全世界でユーザー数が10万人を超える、コース提供型の言語を学習できるeラーニングアプリです。
Bubbleのメリット
ここでは、Bubbleを利用することで得られるメリットについて解説します。
高度なWebアプリを開発できる
Bubbleを活用するメリットとして、外部サービスとの連携機能やプラグイン(拡張機能)が非常に豊富であることがあげられます。
Bubbleで実装できる機能は、以下のようなものがあります。
- 多くのWebアプリの開発が可能
- デザイン性の高いWebアプリの開発
- モバイル表示への対応が可能
- 外部サービスとの連携ができる
- ネイティブアプリの開発ができる
- PWAの開発ができる
無料でテスト開発ができる
Bubbleは、無料のプランから始められます。導入に対するハードルが低いため、予算の少ないスタートアップアップでも試験的にテスト開発が実施でき、自社にマッチするツールかを事前に確認できることが魅力です。
無料プランでは、以下にあげる機能が利用できないため、実現したいことに応じて優良プランへ意向する必要があります。
- テストリリースのみ可能(本番リリースはできない)
- データベースに保存できるレコード数は200まで
- APIの連携ができない
- ファイルストレージは0.5GBまで
無料プランは、Bubbleの操作性を試験するプランであるという認識で、試験的に活用すると良いでしょう。
デザインの拡張性が豊富
Bubbleはデザインの拡張性が豊富なため、パソコンやタブレット、スマートフォンに対応したアプリ開発ができることが利点です。
一般的なノーコードツールを使用した開発においては、レイアウトが固定されているため、カスタマイズ性が低い点が難点です。例えば、Bubbleとよく比較されるAdaloは、スマホのレイアウトが固定されてしまうため、デザイン性には制限がかけられてしまいます。
デザインの自由度高さは、運用の幅広さに直結するため、デザイン性の高いサービスを検討する場合はBubbleを活用することでその恩恵を得られるでしょう。
直感的な操作で開発をすぐに行える
直感的な操作で開発を直ぐに行えるBubbleは、ソースコードを書くことなく開発できることが大きなメリットです。
従来は、まずプログラミングを習得しなければならないためハードルが高く、途中であきらめてしまう人もいたほどでした。
しかし、ノーコード開発は学習時間を大幅に短縮できるため、開発の難易度が大きく下がります。また、Bubbleは、サーバやデータベースなどの環境構築を必要としません。環境構築は、プログラミングを学習する上で初心者がつまずくポイントのため、学習のハードルが下がる要因となるでしょう。
Bubbleのデメリット
多くのメリットがあるBubbleですが、ここではデメリットについて解説します。
ある程度の英語力を求められる
Bubbleは、米国産のノーコードツールのため日本語に対応していなく、操作画面やサポートがすべて英語であることが最大の注意点です。そのため、日本語圏に情報が少ないので、英語が苦手な人は情報を探すのには苦労するでしょう。
対応策としては、精度の高い翻訳ツールを使用すること、また、最近ではBubble専門のオンラインサロンや、YouTubeで解説している動画が充実してきているため、それらを利用して学習すると良いでしょう。
SEO対策を万全に行えない
Bubbleは、SEO設定は基本的なことしか実施できないため、SEO対策が行えないデメリットがあります。
SEOとは、Search Engine Optimization(サーチエンジンオプティマイゼーション)の略語で、検索エンジン最適化を意味します。検索エンジンにてユーザーが検索したキーワードに対して、Webサービスを上位表示させることを目的とした対策です。
Webアプリやスマートフォンアプリ開発を目的としてBubbleを活用するのであれば、デメリットとしては気にしなくても良いでしょう。
Webサービスを制作する場合は、WordPress(ワードプレス)やBiNDup(バインドアップ)などのWeb制作に強いノーコードツールを検討しても良いでしょう。
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読み込み速度が速くない
Bubbleのデメリットとして、アプリの読み込み速度が遅いという注意点もあります。
しかし、実際はそんなに気にするほどではなく、運用に支障が出るといったほどではありません。どちらかと言えば、読み込み速度が「速くない」と言い換えたほうがマッチするでしょう。
読み込み速度に関しては、エンジニアの腕次第で改善できるポイントでもあります。読み込み速度を重要視する場合は、優秀なエンジニアへ依頼することで改善できるでしょう。
使いこなすには一定の時間が必要
Bubbleは、ノーコードツールの中でも柔軟な開発ができる利点がありますが、そのために使いこなすまでにはある程度の時間が必要です。デザインや拡張性がある程度自由がきく分、それだけ初心者には難易度が高いツールとなっています。
日本語に対応していないため、英語で専門用語を学習することは、初心者には敷居が高いかもしれません。
予備知識として、事前にプログラミング用語をある程度学習する必要があります。
Bubbleの料金プラン
ここでは、Bubbleの4つの料金プランごとの使える機能などの特徴を一覧で紹介します。
Free | Personal | Professional | Production | |
---|---|---|---|---|
料金/月額 | 無料 | $29 | $129 | $529 |
料金/年額 | 無料 | $25 | $115 | $475 |
利用人数 | 1人 | 1人 | 2人 | 20人 |
おすすめ | 個人向け | 本格的に 開発したい人 | チームで 開発したい人 | SaaSを 開発したい人 |
カスタムドメイン | ✕ | ◯ | ◯ | ◯ |
サーバ容量 | ベーシック | ベーシック | 3ユニット | 10ユニット |
データのバックアップと復元期間 | 12時間 | 7日間 | 1ヶ月 | 1年間 |
ログ | 30分 | 1日 | 14日間 | 14日間 |
ファイルストレージ | 0.5GB | 10GB | 20GB | 50GB |
API | ✕ | ◯ | ◯ | ◯ |
CVSのインポート/エクスポート | ✕ | ◯ | ◯ | ◯ |
Bubbleと他のノーコードツールを比較
ここでは、Bubbleと他のノーコードツールとの比較について解説します。
費用・コスパ
Bubbleと他のノーコードツールの費用や特徴を比較します。
ツール名 | 主な用途 | 費用 |
---|---|---|
Bubble (バブル) | Webアプリ開発 スマホアプリ開発 | Free:$0 Personal:$25/月 Professional:$115/月 Production:$475/月 |
STUDIO (スタジオ) | Webサイト制作 | FREEプラン:0円 BASICプラン:980円/月 PROプラン:2480円/月 |
ペライチ | ホームページ制作 | スタートプラン:0円 ライトプラン:1078円/月 レギュラープラン:2178円/月 ビジネスプラン:3278円/月 |
Adalo (アダロ) | Webサービス政策 | Free :$0 Pro Plan:$50/月 Business Plan:$200/月 |
Glide (グライド) | Webアプリ開発 | Free:$0 Pro App:$32/月 Private Pro App:$40/月 Enterprise:$999/月 |
Shopify (ショッピファイ) | ネットショップの開設 | ベーシック:$29/月 スタンダード:$79/月 プレミアム:$299/月 |
BASE (ベイス) | ネットショップの開設 | 初期費用:無料 手数料:売上金額の3~6% |
Zapier (ザピアー) | 業務効率化ツール | Free:$0 Starter:$19.99/月 Professional:$49/月 Team:$299/月 Company:$599/月 |
Integromat (インテグロマット) | 業務効率化ツール | Free:$0/月 Basic:$9/月 Standard:$29/月 Business:$99/月 Platinum:$299/月 Custom:相談 |
Kintone (キントーン) | 業務効率化ツール | ライトコース:780円/月 スタンダードコース:1500円/月 |
汎用性
ここでは、ツール別に機能や汎用性、特徴について一覧で比較します。
ツール名 | 機能・汎用性 | 特徴 |
---|---|---|
Bubble (バブル) | 高度な動作を表現できる テンプレートが豊富 レスポンシブ対応 | 自由度が高く柔軟なアプリ開発が可能 Webサイトの作成事例も豊富 |
STUDIO (スタジオ) | チームで利用可能 デザインやテンプレートが豊富 レスポンシブ対応 SEO対策 | デザイン性が他のツールと比べて高い 初心者の方でも簡単に使える |
ペライチ | テンプレートが豊富 レスポンシブ対応 SNS連携(有料:ライトプラン) | 1枚のホームページを作成することに特化している 3ステップでWebサイト作成可能 |
Adalo (アダロ) | テンプレートが豊富 外部連携している レスポンシブ対応 | 他ツールと比べ感覚的に操作が可能 決済システムを容易に導入できる |
Glide (グライド) | テンプレートが豊富 外部連携できる チュートリアルが豊富 | Googleスプレットシートをデータベースとしてアプリを作成 モバイル向けのデザインが豊富 |
Shopify (ショッピファイ) | SEO対策 レスポンシブ対応 商品管理 ストア分析 | ネットショップの開設から運営までの機能を使用可能 現在世界175カ国以上で使用されている 日本語サービスに対応 |
BASE (ベイス) | SEO対策 レスポンシブ対応 SNS連携可能 マーケティングサポート | ネットショップ作成ツール 140万人以上の人が使用 集客や販売促進などをサポート |
Zapier (ザピアー) | 自動化 外部連携が豊富 | アプリ同士の連携により業務を効率化するツール 約2000を超えるサービスと連携可能 |
Integromat (インテグロマット) | 自動化 外部連携が豊富 機能が豊富 | Webアプリの連携により業務を効率化するツール Zapierと比べ有料プランが安い 幅広い自動化が可能 |
Kintone (キントーン) | 自動化 外部連携が豊富 操作が簡単 | 業務改善ツール ドラッグ&ドロップでさまざまな業務効率化などのアプリ開発が可能 2000社の日本企業が利用 |
拡張性
ここでは、プラグインや外部サービスとの連携等を一覧で比較します。
ツール名 | 拡張性・プラグイン | 外部サービスとの連携 |
---|---|---|
Bubble (バブル) | 豊富なプラグインあり API コネクター バブルアプリコネクター SQLデータベースコネクタ | 外部連携が豊富 |
STUDIO (スタジオ) | 豊富なプラグインで拡張性が高い | 外部連携できる |
ペライチ | SNSプラグイン連携機能あり | SNS連携 (有料:ライトプラン) |
Adalo (アダロ) | Google アナリティクス API Connector Toolbox | 外部連携している |
Glide (グライド) | Fetch JSONなど | 外部連携できる |
Shopify (ショッピファイ) | 豊富なShopify専用アプリあり Klaviyo Poing Pong まるっと集客 Privy Discounted Upsells Shopify Inbox | 外部連携できる |
BASE (ベイス) | 独自のアプリが豊富 | SNS連携可能 マーケティングサポート |
Zapier (ザピアー) | 豊富な拡張機能あり | 外部連携が豊富 メール チャット ファイル管理など |
Integromat (インテグロマット) | 拡張機能あり | 外部連携が豊富 |
Kintone (キントーン) | 拡張機能あり 帳簿出力 カレンダー Webフォーム作成など | 外部連携が豊富 電子契約サービス ファイル管理など |
サポート
ここでは、ノーコードツール毎のサポートについて一覧表を元に比較します。
ツール名 | サポート内容 |
---|---|
Bubble (バブル) | メールにて英語によるサポート トラブル発生時の対応・保守点検 |
STUDIO (スタジオ) | 日本語でのサポート |
ペライチ | 日本語でのサポート 無料の個別相談会 初心者向けのセミナー ワークショップなどサポートが充実 |
Adalo (アダロ) | Businessプランから専任のサポートあり |
Glide (グライド) | 英語によるサポート Enterprise Appsは優先サポートあり |
Shopify (ショッピファイ) | 日本語対応のヘルプセンター コミュニティでの質問ができる メールサポート Shopify JapanのTwitterアカウントへの質問 |
BASE (ベイス) | 日本語でのサポート 問い合わせフォーム メール 電話(新規ショップ開設時のみ) |
Zapier (ザピアー) | チームプランはプレミアムサポートあり |
Integromat (インテグロマット) | 英語によるサポートあり |
Kintone (キントーン) | 日本語カスタマーサポートあり 電話 メール |
Bubbleを始めるときの流れ
Bubbleを始めるには、まずアカウントの作成が必要です。
ここでは、実際に開発を行うまでの流れを紹介します。
- 公式サイトでアカウントの作成
- メールアドレス・パスワードの登録
- プライバシーポリシーに同意する
- アンケートの回答
- 開発を進める
Bubbleは日本語に対応していないので、英語が得意でない方はGoogle翻訳などの翻訳ツールを活用して利用するようにしましょう。
まとめ
Bubbleは、ノーコードツールの中でも汎用性が高く、デザイン性にも優れているため、Webアプリやスマートフォンアプリの開発に人気のツールです。
デザインの自由度が高く、機能性も高い一方で、初心者が取り扱うには難易度が高いという注意点があります。
また、無料プランでテスト開発することも可能です。自社において、開発するアプリの用途やサービス内容にマッチしたツールかを見極め、よりよいアプリ開発へとつなげましょう。
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