従量制課金で増え続けるクラウドのコストを下げるため、ハイブリッドクラウドや、オンプレミス環境への移行を検討するお客様は少なくありません。しかし「脱クラウド」と呼ばれるこうしたクラウドからの移行には課題が多く、多くのお客様が途中で断念したり先延ばしにしたりしているのが現状です。
カゴヤ・ジャパンでも、こうしたコスト削減目的で、月額固定料金で利用できるハイブリッドクラウドサービス「FLEX」をご検討されているお客様から、「クラウドから移行したいがなんとかできないか」とのご相談を多くいただいています。
そこで今回は、クラウドからの移行を数多く手がける国際テクノロジーセンターの長谷川真也氏・栗田高宏氏に、現在クラウドからの移行にはどのような課題があるか詳しく解説いただきました。その上で、移行の課題を丸ごと解決できるツール「Zerto Virtual Replication」について紹介いただいております。
目次
国際テクノロジーセンター様の沿革
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
まずは御社の沿革について、紹介いただけますか?
国際テクノロジーセンター 栗田 様:
弊社はもともと建設コンサルタント業で始まった会社で、今年で38期目を迎えます。現在の代表が外資系のコンピューター業界出身で20年前に会社を継ぎ、IT部門を立ち上げました。
当初はOSSを利用した受託開発中心に手掛けていたのですが、社員のスキルが上がってきた8年程前からサービスを作っています。現在はシステムインテグレーターではなく「ツール」「プロセス」「人的リソース」を調達し、「サービス」として組み上げるサービスインテグレーターを目指して活動しております。
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
そうした中で、今回お話いただくZerto Virtual Replicationに目を付けられたのですね。そのきっかけはどういったものだったのでしょうか。
国際テクノロジーセンター 栗田 様:
弊社では仮想基盤への移行に関する仕事を、数多く承っています。その中で、Zerto Virtual Replicationを使って移行を実施する機会があり、お客様の満足度が高かったことや社内SEコストも落とせたことにメリットを感じ、本格的に取り組み始めたのがきっかけです。
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
御社で仮想基盤への移行を扱う経験を基に、Zerto Virtual Replicationの良さを体感されたわけですね。
国際テクノロジーセンター 長谷川 様:
その通りです。
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
ありがとうございます。それでは今回インタビューをお受けいただきましたお二人のポジションについて教えていただけますでしょうか。
国際テクノロジーセンター 長谷川 様:
私はビジネスソリューション事業部 インフラソリューション部 部長として、ネットワークからサーバーまでインフラ全般にわたるシステム構築チームの管理をしています。
国際テクノロジーセンター 栗田 様:
私はビジネスソリューション事業部 サービス営業部の部長として、営業全般をみています。特にお客様の課題を解決するソリューション提案をしています。
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
ありがとうございます。本日はよろしくお願いします。
高まる脱クラウドのニーズ
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
昨今では「脱クラウド」(ここでは、パブリッククラウドからハイブリッドクラウドやオンプレミス環境への移行を指します)を要望されるお客様のニーズが高まっているようですね。
国際テクノロジーセンター 長谷川 様:
AWSやAzureのような従量制課金のクラウドサービスを利用されているお客様は、規模が大きくなるにつれ月額の課金が増え重荷になっています。これらのサービスは使えば使うだけ課金が増えるので、アクセス数が飛躍的に伸びれば、月額の単価も格段に上がってしまいます。
国際テクノロジーセンター 栗田 様:
その上、使われず保存だけされているようなデータが蓄積されていくと、その分コストも増え続けることになります。こういったデータ保存に関するコストが、クローズアップされ問題視されているのです。
使われないデータを保存しておくのに、AWSのような高価な領域が本当に必要?と疑問に感じられているお客様が増えています。
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
なるほど、増大化し続けるクラウドのコストが無視できなくなっているわけですね。
国際テクノロジーセンター 栗田 様:
はい、特にコロナ禍のなかで多くのお客様がコスト削減を求めていますので、逆にクラウドからハイブリッドクラウドやオンプレミス環境への移行のニーズは以前より高まっています。
脱クラウドの課題は山積み
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
クラウドからの移行を希望されるお客様が多い一方で、課題も多いようですね。クラウドからの移行が難しいというお客様の声は、よく聞かれます。
国際テクノロジーセンター 栗田 様:
はい、課題は山積みです。まず従来のようにサーバーのデータをバックアップして新しいサーバーにリストアして移行する方法だと、長時間のサービス停止が必要です。しかし、そのような長時間のサービス停止が難しいというお客様が案外多いんです。
国際テクノロジーセンター 長谷川 様:
現行のサーバーを停止してバックアップするのに1~2時間、そのデータを新しいサーバーに移行やリストアをするのにそれぞれ1~2時間かかるケースもざらです。その上、リストアのあとのチューニングも必要なので、結果的に1日中サービス停止しているということになってしまいます。
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
クラウドから移行したくても、サービスを長時間止められないから実現できないということですね。
国際テクノロジーセンター 長谷川 様:
はい。ただクラウドからの移行が難しい原因は、それだけではありません。ハイパーバイザーゲストOSが異なるなど移行元と移行先の環境に差異があることで、移行ができないということも多いんです。同じハイパーバイザーでも、バージョンが違うだけで移行できないこともあります。
またAWSやAzureのようなクラウドでは、現在のオンプレミス環境からAWS・Azureに移行するためのツールは準備されているのですが、その逆はありません。移行の方法を探す必要があるのです。
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
各社、お客様を囲い込みたいので自分のところへ移行するためのツールは用意しても、出ていくのに必要なツールの用意はないわけですね。
国際テクノロジーセンター 栗田 様:
その通りです。結果、技術的に難しくて移行を諦めるお客様も少なくありません。
クラウド移行に関わる課題をまとめて解決。Zertoの特徴・機能の紹介
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
Zerto Virtual Replicationは、これまで指摘いただいたようなクラウドからの移行にまつわる課題を、まとめて解決できるツールと伺っています。具体的に、どのように解決できるのか紹介いただけますでしょうか。
環境を問わずに移行が可能
国際テクノロジーセンター 長谷川 様:
まず、Zerto Virtual Replicationを利用すれば、環境を問わず移行が可能という点が挙げられます。
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
どのように環境が変わっても移行が可能なのでしょうか?
国際テクノロジーセンター 栗田 様:
はい、ゲストOSやハイパーバイザーの種類・バージョンが変わっても、移行が可能です。ちなみに、クラウドからハイブリッドクラウドやオンプレミス環境だけでなく、逆方向の、オンプレミスからクラウドへの移行にも対応しています。
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
環境に縛られず、クラウド移行ができるのはお客様としても助かりますね。
ダウンタイムは最短数分程度
国際テクノロジーセンター 長谷川 様:
Zerto Virtual Replicationを利用する場合、移行にあたって必要なサービス停止が最短数分程度と非常に短くできる点も大きなメリットです。
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
なぜ、それほどダウンタイムを短くできるのでしょうか?
国際テクノロジーセンター 栗田 様:
バックアップ・リストアによる移行の場合、データのバックアップからリストアにかかる時間は全てサービス停止しなくてはなりません。一方、Zerto Virtual Replicationを使う場合、旧サーバーから新サーバーに対してバックグラウンドであらかじめデータの同期をとっておきます。その間は、サービス停止する必要がないため、ダウンタイムを短くできるのです。
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
それでは、Zerto Virtual Replicationを利用する場合、どんなときにサービス停止が発生するのですか?
国際テクノロジーセンター 長谷川 様:
事前に完了できなかった分の同期をとる時間と、IPアドレスが変わる等、環境が微妙にかわるためその整合性をとる時間だけです。古いサーバーを停止したあとは、新しいサーバーを起動し設定をいくつかすませれば、それだけで移行が完了するのです。
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
なるほど、それで長いダウンタイムが必要ないわけですね。
回線や仮想サーバーに負担をかけない
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
事前同期の際に、回線に負担がかかってサービス提供等に影響がでることはありませんか?
国際テクノロジーセンター 長谷川 様:
Zerto Virtual Replicationは、そのあたりもうまく調整してくれます。回線の帯域が限られていても、それがひっ迫しないように自動調整しながら同期する機能があります。
国際テクノロジーセンター 栗田 様:
少しずつ同期をすすめていくことができるので、最大100Mbpsのベストエフォート回線でも十分です。
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
なるほど、それなら安心ですね。
国際テクノロジーセンター 長谷川 様:
はい、さらにZerto Virtual Replicationは仮想サーバーに何も手を加えず負担を与えないですむ点もお客様に喜ばれています。
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
それはどういうことでしょうか?
国際テクノロジーセンター 長谷川 様:
通常は移行のためにバックアップをする際、仮想サーバーに専用のエージェントなどを仕込む必要があります。しかしそれで何か不具合が起きないか、心配されるお客様は少なくありません。
一方、Zerto Virtual Replicationを利用する場合、管理サーバーは別途必要ですが、もとからある仮想サーバーに手を加える必要はありません。仮想サーバーに影響がないので、お客様は不安なく移行をすすめていただけます。
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
仮想サーバーに影響がないのであれば、お客様もZerto Virtual Replicationを導入しやすいですね。
直観的な操作が可能な管理画面
国際テクノロジーセンター 長谷川 様:
もう一つ、Zerto Virtual Replicationで注目頂きたいのは、管理画面がよくできている点です。どのサーバーをいつ移行するかスケジューリングが可能ですし、サーバー複数台を1つのかたまりとしてグルーピングして管理できるなど機能が豊富です。
しかも、操作が分かりやすくて迷うことはありません。管理画面はグラフィカルで見やすく、直感的に操作できます。
たとえば移行では、物理サーバーが10台あって、その中のどれに移行するかといった細かい指定が必要になることもあります。そのような際も、Zerto Virtual Replicationであればグループ単位等の指定も簡単です。
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
移行ツールを使いこなせるユーザーさんも決して多くないですから、操作性に優れているのは、大きなメリットですね。
Zertoの費用
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
Zerto Virtual Replicationを利用すれば、課題の多いクラウドからの移行をスムーズに進められそうですね。あと、お客様が気になるのは費用だと思います。
Zerto Virtual Replicationでクラウドからの移行を行う場合、お客様はどのくらい費用が必要になるのでしょうか?
国際テクノロジーセンター 栗田 様:
基本的には個別見積となるので、具体的な費用は提示できませんが、バックアップ・リストアによる移行を長期の計画で行う場合にかかる人件費と比べれば、ずっとお安くすみますよ。
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
Zerto Virtual Replicationの利用が適した規模のようなものはありますか?
国際テクノロジーセンター 栗田 様:
はい、10VM以上の仮想サーバーを移行するような規模であれば、コストメリットを感じていただけると思います。ある程度、規模の大きな環境向けですね。
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
なるほど、規模が大きくて特に移行が困難なお客様向けということですね。
国際テクノロジーセンター 栗田 様:
それから価格に関して、他社でもZerto Virtual Replicationを利用した移行サービスを提供していますが、弊社に依頼いただければ、検証コストなどを最小限に抑えることが出来るため、業界最安値で提供させていただけると思います。
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
費用をおさえられるのも、国際テクノロジーセンター様を選ぶメリットということですね。興味のあるお客様は、まずご連絡いただきたいですね。
カゴヤ環境でZerto Virtual Replication が利用可能なことは検証済
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
国際テクノロジーセンター様には、Zerto Virtual Replicationを利用してAWSやAzureから弊社クラウドサービスに対して移行が可能か検証いただきました。不安に感じる方もいらっしゃると思いますので、その結果を教えていただけますでしょうか?
国際テクノロジーセンター 栗田 様:
はい、AWSやAzureそれぞれにWindows ServerやCent OSの仮想サーバーを設置し、カゴヤ様のクラウド環境へ移行が可能か検証しました。カゴヤ様側の環境もHyper-VやVMWareに、それぞれWindows ServerやCent OSといったゲストOSをのせ、複数環境での検証を実施しました。各仮想サーバーのディスク容量は全て50GB程です。
結果、ほぼ全てのケースで、最長10分程度のダウンタイムで移行が完了しました。具体的には、ゲストOSがLinuxの場合のダウンタイムは6~7分程度、Windowsの場合は6~12分程度でした。
ちなみに、オンプレからカゴヤのクラウド環境への移行、カゴヤのクラウド環境からAWS・Azureへの移行でも、同様の結果がでています。
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
それだけ短いダウンタイムで、移行に成功したということですね。こういった検証結果があれば、お客様にはカゴヤのクラウドサービスへ安心して移行を検討いただけますね。
カゴヤでZertoを利用する場合
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
AzureやAWSなどのクラウドから弊社クラウドサービス「FLEX」へ移行するにあたって、Zerto Virtual Replicationを利用したいという場合は、営業にご連絡いただくかフォームからお問合せいただくことになります。
そのあと、弊社から国際テクノロジーセンター様に連絡をとりまして、連携して対応させていただく次第です。
国際テクノロジーセンター 栗田 様:
お問合せいただければ、お客様の現行環境をどのような手順で移行するのが一番ベストかといったご提案から始めさせていただきます。移行方法について教えてほしいという方も、気軽にお問合せ下さい。
カゴヤ・ジャパン 猪俣:
そうですね。移行にかかる費用は、Zerto Virtual Replicationの利用料も含め個別見積となりますが、先ほどのお話の通り他社でZerto Virtual Replicationを利用するより、ずっと費用を節約できると思います。
まとめ
ウィズコロナでコスト削減が求められるなか、従量制課金で増え続けるクラウドのコストは無視できません。その場合、ハイブリッドクラウドやオンプレミス環境への移行を考える方も多いでしょう。しかし移行に伴う長時間のサービス停止を許容できないなど、クラウド移行には多くの課題があります。
そこでZerto Virtual Replicationを利用してクラウド移行を実行すれば、サービスのダウンタイムを最短数分程度ですませることが可能です。ハイパーバイザーやゲストOSなど、移行元・移行先の環境に差異があっても、Zerto Virtual Replicationであれば簡単に移行作業をすすめられます。
クラウド移行、Zerto Virtual Replication に関するお問い合わせは、ぜひカゴヤ・ジャパンにお問い合わせください。
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