スマートフォンが日常生活に欠かせなくなっているため、多くの企業が独自のアプリ開発に乗り出しています。アプリ制作を検討する際、必要な予算の相場を把握しておくことが、プロジェクトをスムーズに進める上で役立ちます。
アプリ開発におけるさまざまな要素が、どのように予算の相場に影響を及ぼすのか、詳細に解説していきます。
目次
アプリの開発費は人件費と開発期間で決まる
アプリ開発にかかる費用を決定する主な要素は、人件費と開発期間です。これらは、開発者のスキルレベルや経験、使用する技術スタック、そしてプロジェクトの複雑性によって変わってきます。
アプリ開発の人件費の目安
アプリ開発の人件費は、プロジェクトの規模や複雑性、開発者の地域やスキルレベルに大きく依存します。外部の開発会社に依頼する場合、時間あたりのレートで計算されるのが一般的です。ただし、レートは地域によって大きく異なります。
自社で開発する場合や個人で開発する場合、実際の人件費は直接的な給与コストや契約料金になりますが、これにはプロジェクト管理や品質保証のための追加コストも含まれる場合があります。
レベル | 月額単価 |
---|---|
プログラマー | 40万円〜100万円 |
初級システムエンジニア | 60万円〜100万円 |
中級システムエンジニア | 80万円〜120万円 |
上級システムエンジニア | 100万円〜160万円 |
アプリ開発期間・工数の目安
アプリの開発期間や必要な工数は、アプリの種類や機能、複雑性によって大きく異なります。例えば、簡単な情報提供アプリは数週間で開発できる場合もありますが、複雑なビジネスロジックを持つアプリや、高度なセキュリティが求められるアプリは、数ヶ月から1年以上の開発期間が必要になることもあります。
開発期間を正確に見積もるためには、プロジェクトの要件を詳細に分析し、リスク管理を含めた計画を慎重に立てる必要があります。
種類 | 開発期間の目安 | 費用の目安 |
---|---|---|
検索ツール | 3ヶ月〜6ヶ月 | 100万円〜300万円 |
ショッピングアプリ | 3ヶ月〜6ヶ月 | 100万円〜300万円 |
メッセージアプリ | 6ヶ月〜12ヶ月 | 100万円〜500万円 |
ゲームアプリ | 6ヶ月〜12ヶ月 | 300万円〜1000万円 |
ヘルスケアアプリ | 6ヶ月〜12ヶ月 | 800万円〜4000万円 |
ストリーミングアプリ | 6ヶ月〜12ヶ月 | 1000万円〜4000万円 |
ARアプリ | 6ヶ月〜12ヶ月 | 1400万円〜3600万円 |
アプリ開発を外注する場合の費用相場
アプリ開発を外部の開発会社に依頼する場合、このプロセスは一般に「スクラッチ開発」と呼ばれます。スクラッチ開発では、アプリケーションがゼロから完全にカスタマイズされて開発されるため、最も柔軟性が高く、特定のニーズや要件に合わせて設計することができます。
しかし、このアプローチは通常、最もコストが高くなる傾向があります。開発会社に依頼する場合の費用は、プロジェクトの複雑性、アプリの機能、使用される技術などによって大きく異なりますが、10万円前後~1千万円程に及ぶことがあります。
フリーランスのエンジニアに依頼する場合、費用は通常、開発会社よりも低くなる傾向がありますが、プロジェクト管理や品質保証の責任が発注者に大きく依存するため、全体的なリスクが高まる可能性があります。
選択する開発パートナーによって、コスト、時間、品質のバランスが大きく変わってくるため、適切なパートナー選びが重要になります。
アプリ開発費シミュレーターで見積もりをチェック
「CREATIVE VILLAGE」などのシミュレーターを使用することで、開発費の見積もりを出すことが可能です。
このようなサービスを利用するメリットは、開発プロジェクトの概算費用を迅速に把握できること、また、異なる開発オプションを比較検討する際の基準として活用できることです。必要な情報としては、アプリの種類、機能、プラットフォーム、利用する技術など、プロジェクトの基本的な要件が求められます。
結果からは、開発費用の概算だけでなく、プロジェクトに要する期間や必要なリソースに関する情報も得られるため、計画段階で非常に役立ちます。
アプリを自分で作る場合の費用相場
アプリを自分で開発する場合、特にクラウドサービスを利用した開発では、初期費用を大幅に削減することが可能です。
このアプローチは、特にスタートアップや小規模ビジネスにとって魅力的であり、必要な機能をクラウド上で利用できるため、高価なインフラストラクチャへの投資を避けることができます。
クラウド開発の場合、費用は使用したサービスの種類や規模によって異なりますが、スクラッチ開発と比較して低コストで始められる場合が多いです。
ただし、自分で開発する際は、開発スキルや時間、リソースの管理が必要になるため、これらの要素を考慮に入れた上で計画を立てる必要があります。
アプリ開発後にかかる維持費・運用コスト
アプリの開発が完了した後も、維持費や運用コストが発生します。このコストは、アプリを安定して稼働させ、ユーザーに継続的にサービスを提供するために必要なものです。
アプリ開発後にかかる主な費用には、以下のものがあります。
- サーバー保守にかかる費用
- OSアップデートにかかる費用
- 不具合修正にかかる費用
サーバー保守にかかる費用
アプリの稼働には、サーバーが必要不可欠です。サーバー保守費用には、ハードウェアの維持、ソフトウェアのアップデート、セキュリティ対策、バックアップの取得などが含まれます。
これらの費用は、利用するサーバーの種類や規模、保守契約の内容によって異なりますが、1万円程度~10万円程度の範囲で考える必要があります。
大規模なプロジェクトの場合、高度なセキュリティやパフォーマンス要件が費用を押し上げる要因となる場合があります。
OSアップデートにかかる費用
アプリは、利用されるデバイスのオペレーティングシステム(OS)上で動作します。OSのアップデートは、セキュリティの強化や新機能の追加のために定期的に行われますが、これらのアップデートに対応するためには、アプリ自体のアップデートが必要になることがあります。
このアップデート作業には、開発者の時間やリソースが必要であり、費用が発生します。アプリが複数のOSをサポートしている場合、それぞれのOSに対するアップデート作業が必要になるため、コストはさらに増える可能性があります。
不具合修正にかかる費用
どんなに慎重に開発されたアプリであっても、運用を開始した後に不具合が発見されることは珍しくありません。不具合の修正には、問題の特定と修正作業、テスト、そしてアップデートの配布が含まれます。
このプロセスにかかる費用は、不具合の複雑性や修正に必要な時間によって異なりますが、アプリの品質を維持し、ユーザーの信頼を保つためには避けられないコストです。
不具合修正に関連する費用を最小限に抑えるためには、初期の開発段階で品質保証とテストに十分な時間とリソースを割り当てることが重要です。
アプリ開発費用を抑える効果的な方法
アプリ開発にかかる費用は計画によって大きく変わりますが、適切な戦略を採用することで、開発費用を効果的に抑えることが可能です。
以下に、開発費を抑えるための主な方法を紹介します。
- アプリの要件や機能の適切な設定
- 自社で対応できる範囲の洗い出し
- レベニューシェアの検討
- フリーランスへの依頼の検討
- クラウド開発の検討
- 最適な開発環境の構築
アプリの要件や機能の適切な設定
アプリの要件や機能を事前に明確にすることは、開発コストを抑える上で最も重要なステップの一つです。不必要な機能を省くことで開発時間を短縮し、コストを削減することができます。
また、最初からすべての機能を実装するのではなく、最低限必要な機能から順に開発を進めることで、初期投資を抑えることができます。
自社で対応できる範囲の洗い出し
開発プロセスの中で、自社内にて対応可能な作業を明確にすることで、外部への依頼コストを削減できます。デザインや一部の開発作業を内製化することで、全体の開発費用を抑えることができます。
レベニューシェアの検討
開発費用の前払いが難しい場合は、レベニューシェアモデルを検討するのも一つの方法です。これは、将来の収益を開発パートナーと分け合うことで、初期の開発費用を低減するアプローチです。
フリーランスへの依頼の検討
フリーランスの開発者やデザイナーに特定の作業を依頼することで、コストを抑えることができます。フリーランスは一般的に、大手開発会社に比べて低コストでサービスを提供することが多いです。
クラウド開発の検討
クラウドベースの開発プラットフォームを利用することで、インフラストラクチャや開発ツールにかかる初期投資を抑えることができます。また、クラウドサービスはスケーラビリティが高いため、必要に応じてリソースを調整することが可能です。
最適な開発環境の構築
効率的な開発プロセスを確立するためには、最適な開発環境の構築が重要です。構築済みのKubernetes環境を提供する「cloud tap」を活用することで、開発環境のセットアップにかかる時間とコストを削減できます。
これにより、開発チームはアプリケーションの構築に集中できるようになり、全体の開発期間とコストの削減に繋がります。
まとめ
アプリの制作には開発段階での出費だけでなく、リリース後も維持・運用に伴う費用が発生します。これら全体のコストを把握し、計画的に開発を進めることが重要です。
効率的な予算管理のためには、開発や運用フェーズで求められる機能を優先度に応じて整理し、内製できるタスクは社内リソースを活用してコスト削減をなども検討しましょう。
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