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データセンター選定に役立つ5つのチェックポイント

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オンプレミスからクラウドへ移行する際に、多くの場合データセンターが利用されています。その目的を理解することが、利用者にとって最適な選択につながると考えます。この記事では、円滑な選定のために必要なポイントをまとめています。「信頼性」が感じられるか厳しく比較検討し、後悔しないようにすることが重要です。

データセンター選定方法

データセンターとは

データだけが集中している場所ではありません。またサーバー機器だけが大量に並んでいる倉庫でもありません。インターネット上でサービスを提供する際に使用する、様々な機器やプログラムなどを設置し、集中して管理する特殊な場所を指しています。次のような情報セキュリティの管理手法を維持することで、利用者の信頼を得ています。

  • 利用者が入手した重要なデータを守る
  • 入手したデータの一部分でも消えたりせず、元の状態のままにする
  • 利用者が提供しているサービスを継続して利用できる状態にする

データセンターの概要について、カゴヤのサーバー研究室では以下の記事を公開しています。併せてご覧ください。

データセンターとは?クラウドとの違いやメリット・デメリットを解説

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企業がデータセンターを利用するメリット

情報セキュリティが確保できる

機密情報や個人情報などの重要な情報を、確実に管理し続けることは容易ではありません。そのため重要な情報を取り扱うサーバー機器などの管理を、情報セキュリティ対策の行き届いたデータセンターに委託してきました。

データセンターの運営者はこれらの重要な情報を、高度で専門的な情報セキュリティのルールで保護しています。そのルールの作成と維持には、第三者による情報セキュリティの認証取得の際に見直されています。これでデータセンターの利用者は安心して契約できます。

企業などが事務所内に独自でサーバー機器などを設置して運用する場合は、多くの安全基準を継続して満たすことは難しため、その分費用がかさみます。ルールを定め関連機器を揃え、専門の技術者を配置するだけはありません。それらが実際に配置されている物理的な場所(サーバールームなど)そのものを、安全に保ち続ける必要があるからです。どの企業でも容易にできることではありません。

経営者もIT部門の担当者も本来の業務に専念できる

企業の経営者や現場のIT部門の担当者にとり、データセンターへの委託は望ましいと考えます。企業が抱えるかもしれないリスクの軽減と、優先順位の高い本来の業務に集中できるからです。それらの業務が忙しく、サーバー機器などの管理業務を実施する時間がない状態がリスクになります。

契約内容にもよりますが専門性の高い技術者に、24時間体制で監視や緊急時の対応などが任せられるのは、何ものにも代え難いメリットではないでしょうか。

CO2の排出量を削減できる

「クラウド化で8割省エネ達成」(注)など、政府が取り組む「温室効果ガスの大幅削減」に向けて、データセンターは貢献しています。現状の課題はまだ多く残されていますが、後世に向けた取り組みとして重要と考えます。

(注)重要分野の検討状況について(2020年12月 経済産業省、内閣府、文部科学省、農林水産省、国土交通省、環境省、総務省)
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/green_innovation/pdf/gi_004_03_00.pdf

*該当箇所は12ページ「デジタル化によるエネルギー需要の効率化・省CO2化」、「・デジタル機器・産業の省エネ・グリーン化」の部分です

(参考情報)情報サービス産業における低炭素化社会実⾏計画(2018年 ⼀般社団法⼈ 情報サービス産業協会)
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/chikyu_kankyo/ryutsu_wg/pdf/h29_001_10_01.pdf
*該当箇所は9ページ「情報サービス産業における省エネの取り組み」の部分です

データセンターを選定する5つのポイント

「正常ではない」状態をどれだけ想定し、一つのリスクに対してどこまで複数の対策をしているかをチェックしましょう。設備の豪華さだけでなく、運営業者の得意分野や対応手順の充実度を確認することも重要です。

災害対策

サーバーなどの機器は電気がないと動きません。動いている間は熱を発して壊れやすくなるため、冷却が必要です。また機器は水に弱いので、火事でも消火のために放水はできません。

災害大国の日本国内でデータセンターを利用する際に、まずは地震や水害(台風などによる大雨)とそれらの影響(停電や火災など)による被害に強いかどうか、以下の項目などを確認しましょう。

  1. 事業継続計画(Business Continuity Plan)での復旧手順
  2. 建物の耐震や耐火の性能と対策
  3. 非常用電源の準備(自家発電設備の稼働時間)
  4. 火災が発生した場合の消火方法(二酸化炭素消火器などの有無)

カゴヤのサーバー研究室では、DR(ディザスタリカバリ、災害復旧)について、以下の記事で詳しく解説しています。

クラウドによるDRのメリットや注意点を解説

クラウドによるDRのメリットや注意点を解説

大地震や台風などの自然災害で、システムが停止し多大な損失を被った企業は少なくありません。今後30年以内には南海トラフ地震が発生すると言われており、災害時にシステムをいち早く復旧させるDRは企業にとって急務です。 しかしDRには高い技術力とコストが必要となるため、簡単に実現できないのが正直なところでしょう。そうしたなかで、クラウドを利用したDRが注目を集めています。この記事ではクラウドでDRを実現す…

立地場所

絶対にここなら安全という場所は、残念ながらありません。いくつかの場所から利用者にとって最も適した立地を、以下の点を考慮して選択することをおすすめします。

(1)災害に比較的強いか

  • 地震に強い地盤の地域か
  • 津波の心配がないか
  • 近くに氾濫の可能性がある河川がないか

(2)複数のデータセンターを利用する場合、同じ被害にあわないように距離が離れているか(例えば、それぞれの立地が東日本と西日本に分散しているか)
(3)利用者が訪問する際に遠すぎないか

「物理的な」セキュリティ対策

データセンターの場合、データはもちろん「物理的な」ものも常時厳重に管理しています。主な目的は防犯対策で、施設によりテロ対策も想定し、以下の項目などを対象としています。

(1)建物の入口などで訪問者の入退室管理

  • 有人とシステム両方での監視
  • 認証方法の改善(最近では生体やICカードなど)
  • 歩行経路のチェックと通行制限(不審者への対策)
  • 滞在時間のチェック

(2)サーバールーム

  • 各種の鍵の管理(物理的な鍵とプログラムの両方)
  • 監視カメラ

サポート体制

データセンターは、単なる場所貸しではありません。利用者にとって、どこまで広い範囲を、深く、ていねいに対応してもらえるかが選択のポイントになります。運営業者の得意分野により対応可能なサポートは変わりますが、以下の項目は最低限確認が必要と考えます。

  1. 提供が受けられるサービスの内容(基本プランおよびオプションプラン)
  2. 非常時での対応の柔軟性(障害が発生し時間に猶予がない場合に、どこまで対応してもらえるか)
  3. 専門知識をもつ経験豊富な技術者の存在
  4. 機器のレンタルサービスの有無
  5. 契約内容
  6. コスト

問題解決し提案できる経験・実績

データセンターの総合力として、利用者の問題を解消し提案できる力の有無や、経験の豊富さがあると考えます。運営業者内で部署をまたぎ、問題解決ができる能力とも言えます。

少し調査しただけでは判断することはできません。そのため時間に余裕のある限り複数のデータセンターを実際に見学して話しを聞き、じっくり比較検討するのが賢明と考えます。

データセンターの事例(カゴヤ・ジャパンの場合)

カゴヤのデータセンター

前章まで、データセンターの概要や選択のポイントを説明しました。日本国内の多くの場所にデータセンターは建てられています。その中から前章でまとめた選択のポイント毎に、カゴヤ・ジャパンの事例を取り上げます。

概要は以下のページをご参照ください。写真入りの説明があり、想像しやすくなっていると思います。

データセンター「KAGOYA DC+」(カゴヤ・ジャパンけいはんなラボ)
https://www.kagoya.jp/dc-plus/

災害対策

  • 震度7程度に耐える堅牢設計
  • 付近は地中配線の地域のため、台風による電柱の倒壊や断線は考えづらい
  • 無停電電源装置(UPS)や非常用発電機(48時間無給油運転)を完備

立地場所

  • 断層の直上にはなく地盤は強固
  • 内陸部にあり津波の心配はない
  • 付近の1級河川から直線で2㎞離れ、川面からも50mの高台にあるため洪水の心配はない
  • 東京から新幹線と電車で3時間半、名古屋から新幹線と電車で1時間半程度の距離
  • 最寄りのI.C.からは1分程度の距離

「物理的な」セキュリティ対策

  • 設備と有人によるセキュリティ体制を整備(入退室管理、対人認証、ICカード認証、生体認証、監視カメラ、機器管理フロアの施錠など)

サポート体制

  • 専任の技術者が24時間365日常駐
  • 1ラックにより多くの機器を集積可能(耐荷重1000 kg、供給電力最大 8kVA)
  • ファイアウォールなどネットワーク機器のレンタルサービスあり
  • バックアップメディア交換など豊富なオプションメニューあり
  • 会議室や利用者向けに作業などができる貸しスペースあり

問題解決し提案できる経験

  • 利用者の利用形態に応じてネットワークの設計や構築可能
  • コロケーション(ハウジング)サービスで利用者のサーバー機器を持ち込みデータセンター内に設置可能
  • 保守サービスやIT・インフラなどオプションサービスが多数
  • プライベートクラウドパッケージ」や「HCIサービス」など最新の支援サービスが多く利用できる

その他

  • レンタルサーバー業務を1998年より開始し技能が蓄積している
  • 情報セキュリティ関連ではプライバシーマークとISO/IEC27001を2007年より取得し、審査を継続している
  • データセンターの増床(1フロア200ラック、2021年11月開始予定)

(まとめ)データセンターの選定と利用は信頼できる運営業者にしましょう

「信頼性」を評価する際に大切な項目を冷静に比較してから、利用者は自社に合うデータセンターの運営業者を選択しましょう。一度決めると変更は困難です。たとえ忙しくても現場に出向き、納得のいくまで担当者に話を聞き、よく把握してから、意思決定していただきたいと考えています。

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