最も安価なStandard Editon Oneプランの販売中止や毎年度高くなる保守料金などが原因で、Oracleからの移行を検討されているユーザーが多くなっています。この記事では、日本ティーマックスソフト株式会社の林田様に、Oracleを継続利用するときにユーザーの頭を悩ませている問題を詳細に解説いただいた上で、Oracleの移行先として有効な同社の商用データベース「Tibero(ティベロ)」を紹介いただいています。
目次
日本ティーマックスソフト株式会社の事業内容
カゴヤ・ジャパン株式会社 森:
まず御社の事業内容をご紹介いただけますか?
林田様:
弊社はシステム・ソフトウェア・ソリューションのグローバル・プロバイダーです。1997年に韓国で朴大演(パク・デヨン)KAIST教授(当時)によって設立され、現在グローバル・ビジネスの本社機能はアメリカ・シカゴにあり、アメリカ、ヨーロッパ、日本や中国をはじめとしたアジアなどでグローバル展開を行っています。韓国でのミドルウェア市場では、弊社の技術力が評価され4割を超えるシェアを獲得しており、グローバルにも評価が広がっています。
―次に御社において林田様の立場、お仕事内容を教えて下さい。
林田様:
わたしはパートナー営業本部で、パートナー様との協業を担当させていだいています。今回新しくリリースされましたカゴヤ様のTiberoプランも弊社では私のチームが担当しております。
―今お話に出ましたTiberoについて教えていただけますでしょうか。
林田様:
Tiberoは弊社で開発しております商用のデータベースです。歴史は古く、2003年にバージョン1をリリースいたしまして、製品としても10年以上の歴史をもっています。日本では2015年に本格展開を開始しておりますが、それまでは主に韓国国内で販売しておりました。
韓国ではデータベース導入の際にTiberoをおえらびいただくことも多いです。また日本と同様に韓国でもOracleのユーザーが多く、Oracleからの移行先として選ばれているケースも多くなっています。
RDBMS(Relational Database Management System)とOracle問題
ここでは、Oracleの費用がユーザーにとって重い負担になっている3つの原因をわかりやすく解説いただいています。Oracleの問題点を正しく把握し、移行先検討の参考にしてください。
Oracle Standard Edition One製品消滅の影響
―日本でもOracleからの移行を検討するユーザーが増えているようですね。その理由はどういったところにあるのでしょうか。
林田様:
いくつかありますがまず昨年2月に、Oracleの中でも最も安価で日本での導入実績が多いStandard Edition Oneの販売が中止されたことがあげられます。
仮にOracleの1つ上位のエディションを選択しようとすると、それまでの3倍以上の費用が必要となり、このエディションを使っていたお客様は、次に利用する先をどうするかで困っていらっしゃるんです。
仮想化環境におけるOracleライセンスの考え方の問題
―それだけ費用が上がると、お客様にとって大きな問題になるのもわかりますね。
林田様:
はい、それに仮想環境にOracleを導入する際の課金体系にも困惑されているお客様が多いですね。
―それはどのようなことでしょうか。
林田様:
OracleをVMwareなどの仮想環境で利用する場合、使用するvCPUではなく、サーバーに搭載されている物理的なCPUに基づいて課金するというかたちをとっています。
そのためお客様からみると、実際に使用しているリソース以上の費用を支払わないといけないのではないかというイメージを持たれるんです。
保守料金の年度調整金の問題
―なるほど、仮想環境でもOracleを使うことの費用負担が問題になっているということですね。
林田様:
はい、そうなんです。それ以外にもOracleの保守料金が毎年数パーセントずつ値上がりすることにも困っていらっしゃるユーザーが多いですね。
Oracleの利用ユーザーは、将来的にどの程度保守料金が上がるか読めないのです。
問題が山積みなのに、Oracle依存が起こるのはなぜ?
―今までのお話を聞いていると、ユーザーにとってもOracleを利用し続けることの問題は多いようですね。それでもOracleが使われ続けるのはなぜでしょうか。
林田様:
いくつかありますが、たとえばOSSや商用版PostgreSQLなど他のデータベースへ移行するとなると非互換の機能が多くユーザー側での開発コストが高くなることがあげられますね。また仮に他のデータベースへ移行することになると、場合によっては技術者が1から勉強することになり、乗り換えしにくいという事情もあります。
―Oracleから移行したくても、なかなか踏み切れない実情があるということですね。
「Tibero RDBMS」の魅力
ここではOracleからの移行先としてなぜTiberoがお客様からえらばれるのか、その理由を詳しく解説いただいています。Tiberoが御社にとってOracleからの移行の有効な選択肢となりえるか検討する際の参考になります。
Oracleから移行する際の互換性の高さ
―TiberoがOracleの移行先としてえらばれる理由はどこにあるのでしょうか。
林田様:
まずはOracleとの互換性の高さがあげられます。たとえば他のデータベースが、Oracleと非互換の機能が15や20あったとすると、Tiberoは10ぐらいですむイメージです。さらに弊社の場合、非互換があっても、ものにもよりますがそのうち5とか6はお客様から情報をうかがった上で弊社が新たに機能開発を行い提供し解決するということも行っているのです。
―それだけ互換性が高くなれば、お客様の開発コストも少なくてすみますね。
林田様:
その通りです。さらに、それまでOracleを利用していた技術者がTiberoに乗り換えた場合、1から勉強しなおさないといけないということはありません。たいていは2~3日使っていただければ、すぐに理解いただけるレベルの互換性があります。
Tiberoへの移行で実現できる大幅な費用節約
―互換性の高さに関するメリットは分かりました。それでは費用に関して、TiberoはOracleと比較してどんなメリットがありますか。
林田様:
大幅な費用節約が実現できます。Oracleの各エディションに対応したTiberoのライセンスはOracleの60%程で、さらに保守料金が年々上がるOracleと異なりTiberoの保守料金はライセンス費用の15%と一定です。そのため仮に5年間Tiberoを利用し続けた場合、ライセンス料金・保守料金あわせて費用はOracleの5割以下ですみます。
―その価格でOracleと同等の機能が使えるというのは魅力的ですね。それでは仮想環境でのライセンス体系はいかがでしょうか。
林田様:
先に述べた通りOracleは物理的なCPUに対して課金されるので、お客様からすると未使用分のvCPUに対してもライセンス料金が発生することになります。たいしてTiberoでは使用するvCPUに対してのみライセンス料金が発生します。
―仮想環境では、さらにTiberoを移行先にえらぶコストメリットが高くなりそうですね。それでは、どのような業種の企業がOracleからTiberoへの乗り換えを行っていますか?
林田様:
企業の業種を問わず、中小企業から大企業まで幅広く乗り換え先としてえらんでいただけていますね。
無償版PostgreSQL/商用版PostgreSQLとの比較
―Oracleからの移行先としてTiberoと競合するRDBMSはどこになるのでしょうか。
林田様:
無償のPostgreSQLや商用版のPostgreSQL(PowerGres)が挙げられますね。
―それらと比較した場合に、Oracleの移行先としてのTiberoのメリットはどこにありますか?
林田様:
まず互換性は圧倒的にTiberoの方が高いです。その分、開発費が抑えられますし、PostgreSQLに移行するとなると技術者は1から勉強しなおさなければなりませんがTiberoではその手間が必要ありません。
―費用面での違いはいかがでしょうか。
林田様:
PostgreSQLも商用版にすると、Tiberoよりずっと費用が高くなります。またPostgreSQLには無償版がありますが、そうなると今度はサポートがついていないので、問題が起こったときにお客様自身で問題を解決しなければならなくなります。そのための能力が高い技術者を用意しておかなければなりません。
PostgreSQL | EnterpriseDB (商用版PostgreSQL) | Tibero RDBMS | |
---|---|---|---|
ライセンス価格 | 無料 | Tibero RDBMより高い | PowerGresより安い |
メーカーサポート | なし | あり | あり |
Oracleとの互換性 | 低い | ふつう | 高い |
―まとめると、費用が抑えられる上にしっかりしたサポートもつくのがTiberoをえらぶメリットということでしょうか。
林田様:
はい、その通りです。
移管時の互換性チェックツールT-Up
―Oracleとの互換性が高いのがTiberoの魅力だと思いますが、実際自社のシステムに採用する場合にどの程度の互換性があるのか、お客様は心配されると思います。その点、Tiberoで何かケアできるポイントはありますか?
林田様:
移行の検討段階で、互換性チェックツール「T-Up」で具体的にどの程度の互換性があるか、目で見てわかるように判定させていただけます。このツールを使うことで、主要な部分に対して何%の互換性があるか確認することが可能です。
―移行前に互換性の指標が分かるのはお客様にとっても安心ですね。
開発する側としては、自分たちの提供するシステムが実際に「Tibero」で動くかどうかが大事であり、あらかじめ確認できるツールが用意されていると判断がしやすくなると思います。
実際、開発事業者にご提案する場合には「自分たちで互換性を確認できますか?」とお聞かせいただく事がほとんどです。
あとがき
低価格プランの販売中止や高くなる一方の保守料金、仮想環境で負担が大きくなる課金体系など、Oracleの継続的な利用にはユーザーにとって頭の痛い問題がつきまといます。その点、TiberoはOracleと同等の機能を、Oracleよりはるかに低価格で利用できるデータベースです。Oracleからの移行先としてはもちろんのこと、新規にデータベースを導入する際にも、Tiberoは有力な選択肢となるでしょう。
特にクラウドが興隆する現代において、データベースは仮想環境でより柔軟に使えることが求められています。林田様は、Tiberoはユーザーのニーズに応えるべく、オンプレミス環境・クラウド環境を問わず、お客様にとってより使いやすいかたちで提供できるようサービス展開を続けるとおっしゃっています。
なおKAGOYAでは、「Tibero RDBMS」ライセンスとサーバーインフラをパッケージにしてクラウドサービスとして提供する「Tiberoプラン」をご用意しております。Tiberoプランであればサーバーやネットワーク等の機器の運用や保守は当社にお任せいただけます。またインフラを含め一定の月額料金でお使いいただけますので、Oracleのように費用の増加を心配する必要がありません。
※文章中の図については概念を示したものであり、各社の条件等を正確に表示したものではありません。
KAGOYA FLEX
カゴヤ・ジャパンは、自社国内データセンターを基盤に、月額4,400円の低価格からクラウド導入を強力サポート。
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