ホームページを作成するとなった場合、その方法の選択肢として「制作を外注する」という方法があります。
外注に出すことに多くのメリットはありますが、費用については考える必要があります。
そこでこの記事では、外注費用の相場や安くする方法、事前に確認しておきたいメリット・デメリットなどをご紹介します。
ホームページの外注費用について
ホームページの制作を外注するとなった場合、残念ながらその費用の相場を一言でご紹介することはできません。なぜなら、ホームページの外注費用は様々な要因によって大きく変動するためです。
そこで、まず初めに外注費用に影響を与える要因についてご紹介します。
制作会社による差
ホームページ制作の外注費用は、依頼する制作会社によって大きく差が出ます。
これは仮に5ページだけの構成のホームページ制作依頼であっても、個人の副業や小さく営業されている事業者と、専任のスタッフを何人も抱えている大きな企業とでは、当然後者の方が外注費用としては高くなる傾向にあります。
依頼先 | 外注費用 |
---|---|
個人・小規模な制作会社 | 比較的リーズナブル |
中規模な制作会社 | 制作会社によって安価~高額まで幅広い |
大規模な制作会社 | 総じて高額になることが多い |
ホームページの規模による差
ホームページ制作に必要になる外注費用は、依頼するホームページの規模によっても大きく変動します。
当然、全5ページの簡単なホームページであれば費用を抑えることは可能ですが、100ページ200ページと大規模なホームページを依頼するとなった場合は、単純に作成が必要なページ数が増えますので、それだけでも制作会社側の工数の増加し、費用も比例して増加します。
加えて、ページ数が多くなると、単純に各ページを横並びにするのではなく、SEOやカスタマージャーニ―をを意識した複雑な設計が必要になり、その分の費用も併せて増加していきます。
小規模ホームページ | 大規模ホームページ |
---|---|
機能やデザインの要件による差
ホームページ制作において、ほぼテキストだけでコンテンツとデザインに凝った画像を差し込んでいく場合とでは、後者の方が確実に費用が高くなります。これは単純に画像やアイコンの作成がテキストの打ち込みだけよりも格段に工数が必要になるためです。
更に、検索ボックスやお問い合わせフォーム、資料ダウンロードなどホームページ上で稼働する機能を追加すればするほど費用は高くなります。
納品形式による差
ホームページ制作の外注ではどのような納品形式にするかでも、費用感は変わります。
キャッチフレーズや使用するアイコンや画像など、パーツのみを納品して組み立て自体は自分で行わなければいけないという場合は、当然費用は安く済みます。
これに対して、ほぼ丸投げ状態で、構成やデザインも含めサーバ―にアップして公開までのほとんどの作業を制作会社が行う場合は、それだけ対応範囲も人件費も増えますので、総額としての外注費は高くなる傾向にあります。
他にもこの2パターンの中間にあたる画像データやHTMLデータでの納品で、サーバーにアップする作業だけ自分で行うというパターンも存在します。
保守運用を含めるかどうか
ホームページ制作の外注の場合、単に制作して終わりではなくその後の保守運用もセットで付けることができるケースも多々あります。
また、ホームページの修正や新規追加に必要な費用に関しても、制作会社によって料金体系も大きく異なります。
- 期間制:制作から1年間は修正等は無料
- 回数制:毎月〇回までの修正は無料
- 都度制:依頼のたびに追加費用
ホームページ制作にかかる外注費用の相場
それでは、上記を踏まえて具体的にどれ位の外注費用が必要になるのかをご紹介します。
制作にかかる外注費用相場
ご紹介の通り、様々な条件によって外注費用は大きく変動しますので、以下の条件に絞って依頼した場合の外注費用の相場を提示します。
- 機能やデザインは一般的な法人サイトに使われるレベル
- テキストやイメージなどある程度は伝え、クリエイティブが問われる部分のみお任せ
- 保守運用は含まない
依頼先 | 10ページ未満 | 50ページ以上 |
---|---|---|
個人・小規模 | 3万~10万円 | 15万~100万円 |
中規模 | 20万~100万円 | 100万~500万円 |
大規模 | ~100万円 | 500万円~ |
ホームページの保守運用を外注した場合
ホームページの外注には制作以外にもホームページの維持、保守運用に関わる作業の外注も存在します。
この場合、個人事業主でも依頼を出せるところはありますが、継続的な作業が必要な内容であるため、より長期的に依頼を受けてくれる可能性が高い法人に依頼すべきです。
その際に必要になる費用については、月額もしくは年額制になることが多く、金額については具体的にどの範囲までの作業を依頼するかによっても変動します。
依頼範囲 | 月額相場 |
---|---|
【最低限の対応範囲】 ・簡単な障害対応 ・CMSのアップデートなど | 5,000~10,000円/月 |
【更新など中程度の対応範囲】 ・サイトの更新 ・サイトレポートの提出や報告 ・障害対応 ・アップデートなど | 30,000~100,000円/月 |
【広範囲の対応】 ・SEO対策 ・競合他社サイトの調査 ・サイトの更新 ・サイトレポートの提出や報告 ・障害対応 ・アップデート ・etc | 100,000円/月~ |
金額に関しては、もちろん依頼する制作会社によっても変動しますが、基本的には単純にどれだけの作業時間がかかるのか、その作業に専門性が必要かどうかが影響してきますので、時間が多くなる場合でも専門性の高い作業が増える場合でも必要となる外注費用も高くなります。
また対応範囲に関しては、どこまででも範囲を広げることができますので、制作会社と範囲や金額についてすり合わせしてから契約する必要があります。
外注費用を安く抑える方法
ホームページ制作を外注するとなると当然費用がかかりますが、この費用を抑えられる可能性はいくつか存在します。
もちろん、状況や依頼することになる外注先によって実現可否は分かれますが、価格交渉の際に役立つ可能性もありますので、念のため把握だけはしておきましょう。
デザインだけを依頼する
現在、WordPressのテンプレートなどで初心者でも簡単にホームページを作成することができる環境があります。
そのため、ホームページ制作の大部分を自社で行い、内製では難しいロゴやバナーなどのデザイン領域のみ依頼するという方法も可能です。
この場合の依頼先はホームページ制作会社ではなくデザイン会社となりますので、大幅なコストカット実現の可能性があります。
ただし、この方法はSEO対策などの必要がなく、名刺代わり程度のホームページという用途に限定されます。そのため集客も担うホームページにする場合は制作会社への依頼が推奨されます。
素材は自社で用意する
上記とは真逆のアプローチ方法で、デザインやバナー、アイコンといった素材は全て内製で準備を行い、ホームページの構成やSEO対策のみを依頼することも有効手段の一つになる場合があります。
ホームページ制作の際に、制作会社側で新しくバナーやロゴ、アイコンなどを作成する予定であった場合、当然それらの制作を担当するスタッフの工数が必要ですので、その分の費用は上乗せされます。
しかし、その作業を内製で行い制作会社に提供できる場合は、制作会社側の工数は確実に減少しますので、その分の費用を削減することが可能です。
制作ページ数を限定する
ホームページ制作の外注費用はご紹介の通りページ数によって増減します。
そのため、主要なページのみ外注に依頼し、その他の重要ではないページに関しては内製で納品後に新規追加するという方法も可能です。
例:オプションページや利用規約ページなど
ただしサイトマップの登録なども考える必要がありますので、事前の打ち合わせの際にあらかじめ自社内で作成するページ情報について制作会社側に共有しておく必要があります。
加えて、内製で新規ページの追加を行うことになりますので、当然ある程度知識がありページ作成が可能な人材がいることも必須条件となります。
テンプレートを利用する
制作会社の中には、完全オリジナルのデザイン・構成でホームページを制作する通常のプランと、テンプレートを使ったリーズナブルなプランから選べる場合があります。
テンプレート利用のホームページの場合、世の中に似たような造りのホームページが点在しているという状況にはなりますが、簡単に外注費用を抑えることは可能です。
ただし、テンプレートでは実現したい仕掛けなどが組み込めない場合は、制作会社の担当者と相談・交渉が必要になります。
相見積もりを行う
ホームページ制作の外注以外の場面でも用いられる手法ですが、相見積もりを取りサービスと費用を総合して比較することも費用を抑える上では重要なプロセスです。
もちろん価格の安さだけで依頼先を決めるのはNGですが、同程度の品質とサービス、制作後のアフターフォローで複数の選択肢がある場合は費用が安い方を選ぶことが可能です。
場合によっては比較することで担当者さんの善意による値引きなども受けられる可能性もあります。
外注のメリット
ここで改めてホームページ制作を外注に依頼することのメリットについて、確認したいと思います。
この部分を明確にしておくことで、実際に外注する際の予算に見合う依頼なのかの判断基準となります。
プロの技術や知識を活用できる
1つ目のメリットはホームページ制作において、経験豊富なプロの技術や知識を活用できる点です。
今の時代、ホームページを作成すること自体は誰でも簡単にできる様になっていますが、良質なデザインだったりSEO対策などに関しては初心者ではかなり難しいです。
この領域に関して、いきなりプロ並みの質を求められてもほぼ不可能に近いので、こういった技術力・知識を外注で活かせることは大きなメリットと言えるでしょう。
制作期間が短縮できる
2つ目のメリットは、ホームページの制作にかかる期間を短縮できる点にあります。
もちろん、自社でホームページの作成を何度も行ってきた経験がある、もしくはその知識と技術力がある場合は外注することで反対に制作期間が延びる可能性もあります。しかし、自社でそういった経験や知識がない場合は、ホームページの作成方法を一から学びつつの構築となりますので、非常に時間がかかります。
その点、外注に制作依頼するとなると、制作会社との契約やすり合わせといったミーティングの時間は必要になりますが、そこも含めて制作にかかる時間を大きく短縮させることが可能となります。
デザインや機能のクオリティが高い
3つ目のメリットは、初心者が制作するホームページよりもデザインや機能面のクオリティが高くなる点にあります。
ホームページは訪問したユーザーがいかに効率良く情報を収集できるか、そしてホームページの目的(認知度向上やCV獲得など)をいかに効率良く達成させられるかが重要です。これは非常に難しい問題で、各社頭を悩ませながら取り組んでいる領域となります。
ここを経験の浅い方が取り組むとなると、なかなか成果が上がらないというケースも多いので、そういった知識をノウハウとして所持している制作会社に依頼することは賢い選択と言えるでしょう。
もちろん、1から自社内でチャレンジしてみるという選択肢もありますが、より短期間で成果を出すとなると外注に軍配があがります。
- 経験豊富なプロの技術や知識を活用できる
- ホームページの制作にかかる期間を短縮できる
- デザインや機能面のクオリティが高くなる
注意点やデメリット
上記ではホームページ制作を外注することのメリットをご紹介しましたが、もちろんデメリットも存在します。
ホームページ制作の外注は一度走り出すと途中で止めることは難しいので、あらかじめ把握しておくべきポイントをご紹介します。
コミュニケーションの難しさ
1つ目のデメリットはコミュニケーションの難しさにあります。
自分の中では確固たるイメージがあるが、それを制作会社側の担当者に上手く伝えられず、結果的に想像していたものとは異なるホームページができあがってしまったというケースがあります。
特に、制作会社とやり取りを行う社内の人間が複数人、そして制作会社側で窓口となる担当者・実際に制作する担当者が別々の場合は特に認識の齟齬が発生しやすくなります。
なので、こういったミスを防ぐためにも口頭だけではなく、イメージ図だったり参照元の提示など様々な方法で伝える工夫をする必要があります。
修正・更新に追加費用がかかる場合がある
2つ目のデメリットは、修正だったり更新作業に追加費用がかかる場合がある点です。
ホームページは制作して終わりではなく、その後も情報の更新だったり修正をかける機会は多くあります。その時に、内製で修正や更新をかけることができれば問題ありませんが、制作側に依頼が必要な場合は制作会社次第では別途費用が発生するケースがあります。
もちろん、全ての制作会社はそういったサービス体系というわけではなく、「月に〇回まで無料」「制作から1年間は無料」といったルールが設定されています。
ホームページ制作の外注を検討する場合は、制作までのサービスだけではなく、制作後の運用部分のサービスについても依頼前に確認しておく必要があります。
外注先の選定に失敗するリスク
3つ目のデメリットは外注先の選定に失敗してしまうリスクにあります。
ご紹介の通りホームページ制作は大規模な企業だけではなく、中規模や小規模に加えて個人事業主や副業として請け負っている事業者も存在します。
そのため、対応も丁寧でコスパも良くサービス内容も悪くないということで依頼したものの、蓋を開けてみると手作り感満載の簡素なホームページが納品されてしまったり、実は全くの素人でWordPressのテンプレートをベースにテキストを広い画像だけで構築されたホームページだったりというケースもあります。
他にも、実は財務状況が芳しくなく、ホームページ制作を発注した後に倒産してしまい貸倒金が発生するなどのリスクも存在します。
ロックインが起きる
4つ目のデメリットは、ロックインが起きてしまう可能性についてです。
ホームページはインターネット上に公開して終わりではなく、その後も継続して運用が必要となります。情報の修正や更新、新規ページの追加や削除など場合によっては事業継続の要ともなる存在でもあります。
そのため、毎回制作会社に修正や追加を依頼するのは非効率となるため、内製での更新や別の運用会社を検討することになりますが、ここでロックインが起こってしまっている場合は制作会社に依頼するという選択肢しか取れない状況になります。
こうなると、運命共同体のような関係になり、3つ目のデメリットでもご紹介の通り制作会社が倒産すれば納品されたホームページの更新等も一切行えなくなり、新たに作り直さなければいけません。
そのため、外注先を選ぶ際にはロックインが起こらない制作会社かどうかの確認が必須となります。
【ロックインとは】
ロックインは現在利用している製品やサービス、技術などから別の同種のものへの変更が困難な状態のことを指します。
この場合であれば、ホームページの制作会社Aとは別のホームページ運用会社Bに変更したくても、A社でしか扱えないシステムが組み込まれており、B社をはじめ他社では運用できない状態をいいます。
ノウハウが蓄積されない
5つ目のデメリットは、社内にノウハウが蓄積されないという点です。
外注することでプロの知識と技術を活用できるというメリットがある反面、社内にホームページ制作に関するノウハウが蓄積されないというデメリットも発生します。
もちろん、今後ホームページを制作する可能性が0である場合は問題ありませんが、新規事業だったり別サイトの作成の可能性がある場合は、一時的に時間と人件費がかかったとしても、その後のサイト制作に繋げることができます。
ここは今後の事業方針次第でどちらが正解かは変わりますので、数年先を見据えた選択が必要になります。
- コミュニケーションの難しさ
- 修正・更新に追加費用がかかる場合がある
- 外注先の選定に失敗してしまうリスク
- ロックインが起きてしまう可能性がある
- 社内にノウハウが蓄積されない
まとめ
ホームページ制作において、制作会社に外注するという選択は非常に多くのメリットを受けることができます。
しかし、その際に必要になる費用は様々な条件によって変動しますので、あらかじめ相場を把握しておくことで適正価格で依頼を出すことができます。
また、適正価格の中でも外注費用を抑えられる可能性はあります。
いずれにしても、ホームページ制作は事業を行う上で重要な財産となりますので、失敗しないよう慎重に進める必要があります。
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