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Drupalとは?特徴やメリット・デメリット・使い方までわかりやすく解説

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Drupalの解説

Drupal(ドルーパル)は、Webサイト構築に優れたCMSの1つです。

本記事では、Drupalの特長と導入プロセスについて詳しく解説します。初心者からプロフェッショナルまで、幅広いユーザーを対象として、Drupalの活用法や最新のトレンドについての情報を網羅的にまとめました。

新規にDrupalの導入を検討されている方はもちろんのこと、既存サイトのパフォーマンス向上を目指す経験者の方々にも有益な情報をご提供しますので、ぜひお読みください。

Drupalとは

Drupal(ドルーパル)は、世界中で利用されているオープンソースのコンテンツ管理システム(CMS)です。ウェブサイトの構築、管理、運営を行う際に必要な機能を備えており、柔軟なカスタマイズができます。

また、高度なWebフレームワークとしても機能し、複雑なアプリケーションの開発にも使えます。現在のシェア率は他のCMSに比べると低いものの、その堅牢性や拡張性により、多くの企業や政府機関に採用されているのです。

最大の特徴はCMSとWebフレームワークの2つの側面があること

Drupalの最大の特徴は、CMS(コンテンツ管理システム)としての機能と、Webフレームワークとしての側面を併せ持っている点です。

ユーザーはウェブサイトのコンテンツ管理を手軽に行うことができるだけでなく、カスタマイズやアプリケーションの開発も柔軟に実施することが可能になります。CMSとしての利便性と、開発者のニーズに応える拡張性を兼ね備えており、多様なウェブサイト構築が実現できるのがDrupalの強みなのです。

NASAや経産省が運営するサイトで使われていて将来性も高い

Drupalは日本の経済産業省など、セキュリティが重視される公的機関のウェブサイトで採用されています。これらの機関がDrupalを選ぶ理由は、その堅牢なセキュリティ対策と、柔軟にカスタマイズ可能な構造にあります。

高度なセキュリティ要件を満たしつつ、独自のニーズに合わせた機能拡張が行えるため、将来性が高いと評価されています。信頼性と拡張性のバランスが、Drupalの採用を後押ししているのです。

DrupalとWordPressの違い

DrupalとWordPressのアプリ画像

DrupalとWordPressは共に人気の高いCMSですが、いくつかの違いがあります。WordPressは使いやすさで知られており、初心者でも簡単にブログやシンプルなウェブサイトを立ち上げることができます。一方、Drupalはより高度な機能性とカスタマイズ性を備えており、複雑なサイトや大規模なプロジェクトに適しています。

Drupalは柔軟なデータ管理やセキュリティ面で優れている一方で、WordPressに比べると学習曲線が急で、使いこなすのにはより専門的な知識が必要です。また、DrupalのコミュニティはWordPressほど大きくないため、プラグインやテーマの選択肢は限られていますが、その分カスタム開発の自由度は高くなっています。

Drupalを利用するメリット

Drupalを利用すると以下のようなメリットがあります。

  • SEO対策に有効
  • 拡張モジュールが充実
  • 多言語のサイトを作成可
  • 無料のテーマデザインが充実
  • セキュリティ対策が万全
  • 高速の動作を実現

ここからは各メリットについて詳しく見ていきましょう。

SEO対策に有効

Drupalを利用するメリットの1つは、SEO対策に非常に有効であることです。Drupalには、検索エンジンがサイトを理解しやすいようにメタデータを最適化する機能が備わっています。

また、URLの自動生成機能があり、キーワードを含んだ検索に強いURLを簡単に作成できます。さらに、サイトの速度を向上させるキャッシング機能も搭載されており、ユーザー体験の向上はもちろん、Googleなどの検索エンジンに評価される要素となります。これらの機能により、DrupalはSEOに強いウェブサイトを構築するのに適していると言えるでしょう。

拡張モジュールが充実

Drupalの魅力の一つは、その豊富な拡張モジュールです。これらのモジュールを利用することで、サイトの機能を簡単に追加・カスタマイズすることができます。

例えば、SEO対策、ソーシャルメディアの統合、セキュリティ強化など、特定のニーズに合わせた機能をプラグアンドプレイのように追加することが可能です。これにより、開発者はコーディングの手間を省きながら、ユーザーにとってより使いやすく、機能的なウェブサイトを構築できるのです。

多言語のサイトを作成可

Drupalを利用する最大のメリットの一つは、多言語対応のウェブサイトを簡単に構築できる点です。これはグローバルなビジネス展開を目指す企業や、多国籍なユーザーをターゲットにしている企業にとって、特に役に立ちます。

Drupalには、多言語サイトを支援するためのモジュールが組み込まれており、ウェブサイトの各ページやメニュー、ブロックなどを複数言語で表示することが可能です。また、言語ごとのURL管理も柔軟に行えるため、ユーザーにとって使いやすい言語環境を提供できます。これにより、世界各国のユーザーに向けて効果的にコンテンツを届けることができるのです。

無料のテーマデザインが充実

Drupalを利用するメリットの一つに、無料で利用できるテーマデザインが豊富に揃っている点が挙げられます。これは、初めての方でも手軽にプロフェッショナルな見た目のウェブサイトを構築できるという大きな魅力です。

多様な業種や用途に合わせたテーマが用意されており、それらを基にカスタマイズを加えることで、独自性の高いデザインを実現することができます。また、テーマはコミュニティによって常に更新されているため、流行に左右されない最新のデザインが手に入ります。

セキュリティ対策が万全

Drupalのセキュリティ対策は万全です。専門のセキュリティチームが定期的にシステムを監視し、脆弱性を発見次第、迅速にアップデートを提供します。

また、強固なコアコードと厳格なコードレビュープロセスにより、セキュリティリスクを最小限に抑えています。ユーザーは安心してサイトを運営でき、個人情報や重要なデータも守られるので、企業や政府機関にも信頼されています。

高速の動作を実現

Drupalの魅力の一つに、その高速な動作があります。これは、最適化されたキャッシング機能と高度なパフォーマンス設定によるものです。キャッシュは、サイト訪問者に対して迅速にページを提供するために、一度読み込まれたデータを一時的に保存しておくシステムです。

Drupalはこのシステムを効率的に利用し、ページの読み込み時間を大幅に短縮します。さらに、不要なリソースの読み込みを抑えることで、サーバーの負荷を減らし、スムーズなサイト運用を実現しています。高速なサイトはユーザー体験を向上させるだけでなく、検索エンジン評価にも好影響を与えます。

Drupalのデメリット

Drupalを利用する際には、以下のようないくつかのデメリットがあります。

  • 開発・導入のハードルが高い
  • 使いこなすのに知識が必要
  • Web上で情報収集しにくい

ここからは各デメリットについて詳しく解説します。導入する際にはメリットとデメリットをよく考えて導入しましょう。

開発・導入のハードルが高い

Drupalの開発や導入には、他のCMSに比べて技術的な知識が必要とされます。特にカスタマイズや特定の機能の追加を行う場合、プログラミングスキルが求められることが多いです。また、初期設定も複雑で、サーバーの構築からデータベースの設定まで、細かい手順を踏まなければなりません。

これらのハードルを乗り越えるためには、十分なドキュメントの読解力や、問題が発生した際のトラブルシューティング能力が不可欠です。Drupalに慣れていない開発者や運営者は、専門家に依頼することを検討するとよいでしょう。

使いこなすのに知識が必要

Drupalは非常に強力なCMSですが、その機能を最大限に活用するためにはある程度の知識が必要です。例えば、カスタムモジュールの開発やテーマのカスタマイズ、複雑なコンテンツ構造の設計などは、プログラミングやウェブ開発に関する専門的なスキルが求められます。

初心者がDrupalを使いこなすためには、オンラインのチュートリアルやコミュニティフォーラムでの情報収集、あるいは専門書籍を読むなどの自己学習が欠かせません。また、必要に応じてDrupal専門の開発者に相談したり、研修を受けたりすることも一つの有効な対策となります。

Web上で情報収集しにくい

DrupalはオープンソースのCMSでありながら、情報収集には苦労することがあります。これは、Drupalが特に専門的なユーザーや開発者向けに設計されているため、一般的な利用者にとっては理解しにくいテクニカルなドキュメンテーションが多いからです。また、Drupalのコミュニティは英語圏を中心に形成されているため、日本語の情報が少なく、有用な情報を見つけるのに時間がかかることがあります。

対策としては、Drupalの公式フォーラムやコミュニティに参加し、英語のドキュメントを読み解く能力を身につけるか、または信頼できる開発者や専門のサポートサービスを利用することが有効です。これにより、必要な情報を効率的に収集し、Drupalを最大限に活用することができます。

Drupalの導入方法

Drupalを使い始めるためには、まず適切な動作環境を整える必要があり、インストール完了までには以下の11ステップの工程を経る必要があります。

① 動作環境を確認する
② プログラムをダウンロードする
③ プログラムをサーバーにアップロードする
④ ファイルとディレクトリを作成する
⑤ データベースを作成する
⑥ URLアドレスにアクセスする
⑦ データベース情報を入力する
⑧ インストールを進行する
⑨ 日本語への翻訳データを導入する
⑩ サイトの管理者の情報を入力する
⑪ インストールを完了する

ここからは各ステップについて順を追って説明します。

①動作環境を確認する

Drupalを動かすためには、特定のサーバー環境が必要です。基本的にはPHP、MySQLまたはPostgreSQL、SQLiteを動かすためApacheやNginx、Microsoft IISなどのウェブサーバーが求められます。初めてDrupalを使う場合でも、多くのレンタルサーバーがこれらの条件を満たしているため、手軽に始めることが可能です。しかし、サイトの規模が大きくなると、より高性能なサーバーや特定の設定が必要になることがあります。よって、導入前にはご利用のサーバーがDrupalの推奨する環境要件を満たしているかを確認することが大切です。安心して運用を開始するためにも、この確認作業を丁寧に行いましょう。

現在のDrupalの動作環境をまとめると以下の通りです。

OSLinux, Windows
WebサーバーApache 2.4.7以降
Nginx 1.1以降
Microsoft IIS 7以降
PHP8.3以降
データベースMySQL 8.0以降
MariaDB 10.6以降
PostgreSQL 16以降
SQLite 3.45以降

②プログラムをダウンロードする

Drupalの公式ウェブサイトにアクセスし、最新版のプログラムをダウンロードします。ダウンロードする際には、サーバーのPHPバージョンとの互換性を確認し、適切なバージョンを選択することが重要です。また、安定版(recommended)と開発版(development)がありますが、安定性を重視する場合は安定版を選ぶことをお勧めします。

Drupalの公式サイト

③プログラムをサーバーにアップロードする

次にFTPクライアントソフトを使用しDrupalのプログラムをサーバーの公開フォルダにアップロードしましょう。アップロードする際にはDrupalのファイル構造を変更しないよう注意が必要です。ファイルのアップロードには時間がかかる場合があるので、途中で中断しないようにしましょう。アップロードが完了したら、ファイルが正しく配置されているかを確認してください。

DrupalのプログラムをFTPでアップロードする様子

④ファイルとディレクトリを作成する

次にDrupalを動かすために必要な、特定のファイルとディレクトリを作成します。Drupalをインストールしたディレクトリで、以下のコマンドを実行してください。

cd sites/default
cp default.settings.php settings.php
chmod a+w settings.php
mkdir files
chmod a+w files

このコマンドの意味は以下のとおりです。

まず、Drupalのプログラムを展開したディレクトリ内では以下のディレクトリに設定ファイルが置かれます。

sites/default

このディレクトリ内にある以下のPHPファイルがデフォルトの設定ファイルです。

default.settings.php

ここで「default.settings.php」のコピーを作成して「settings.php」と名付けます。これは、サイト固有の設定を保存するためのものです。

次にファイルのパーミッションをa+wに設定します。これは全てのユーザーに書き込み権限を付与する設定です。

そして、サイト運営に必要なファイルを入れるために以下のディレクトリを作ります。

sites/files

このディレクトリもパーミッションをa+wに設定します。

ファイルとディレクトリの作成画面

以上がコマンドの意味です。これを実行することで、Drupalのインストールが進みます。

⑤データベースを作成する

Drupalを使うには、データベースが必要です。以下のコマンドを実行しましょう。

mysql -u root -p
(rootパスワードを入力)
create database drupal;
create user 'drupal'@'localhost' identified by '(drupalのパスワード)';
grant all privileges on drupal.* to 'drupal'@'localhost';
flush privileges;

各コマンドの意味は以下の通りです。

まずmysqlコマンドでMySQLにログインします。rootのパスワードを求められるので入力しましょう。
次に「drupal」という名前のデータベースを作ります。名前は何でもいいですが、わかりやすい名前にしましょう。

Drupalの各種設定の様子

最後のコマンドはdrupalデータベースに「drupal」というユーザーを作り、パスワードを設定するものです。

⑥URLアドレスにアクセスする

ここからはWebブラウザからDrupalのURLにアクセスしてインストールを進めます。
ブラウザのアドレスバーに

http://www.example.com/core/install.php

のように書いてアクセスしましょう。

Drupalのインストール作業

drupalをアップロードしたURLに「core/install.php」を付けた物がURLになります。

⑦データベース情報を入力する

次に、先ほど作ったデータベースの情報をDrupalに設定しましょう。

Drupalのデータベース構成画面

データベースの接続情報はセキュリティ上非常に重要なので、他人に知られないように管理することが大切です。

⑧インストールを進行する

「保存して次へ」を押すとインストールが進行するので、そのまま待ちましょう。

Drupalインストール開始

⑨日本語への翻訳データを導入する

インストールに続いて翻訳データの導入が始まります。

Drupalの翻訳

これも自動的に進むので待ちましょう。

⑩サイトの管理者の情報を入力する

サイトの管理者情報を入力しましょう。ここで設定する情報は、以下の通りです。

  • サイト名
  • 管理者のユーザー名
  • 管理者のパスワード
  • 管理者のメールアドレス

入力し終わったら一番下の「保存して次へ」を押します。

Drupalの管理者登録画面

⑪インストールを完了する

ここまで来ればインストールは完了です。

Drupalインストール完了画面

Drupalのトップページにリダイレクトされ「ようこそ」の文字が表示されます。

Drupalの基本的な使い方

ここからはDrupalの使い方について説明します。Drupalは、以下のステップで使います。

  1. 管理者としてシステムにログインする。
  2. コンテンツを投稿する。

ここからは各ステップについて詳しく解説します。

システムにログインする

Drupalを利用するためには、まずシステムへのログインが必要です。トップページの右上にある「ログイン」の文字からログイン画面に入ります。

Drupalのログイン場所

そこでユーザー名とパスワードを入力することで、管理画面に入ることができます。

ログイン画面

コンテンツを投稿する

コンテンツを投稿する際は、以下の手順で行います。

  1. 管理画面の右上の「コンテンツ」を選択します。
    コンテンツの作成画面
  2. コンテンツの追加をクリックします。
    コンテンツの追加ボタン
  3. 「基本ページ」か「記事」を選びます。基本ページとは「About us」のような固定的なページのことです。
    コンテンツ選択画面
  4. タイトルと本文を入力します。
  5. 投稿前には「プレビュー」機能で内容を確認し、問題がなければ「公開」をクリックしてサイトに掲載します。
    記事作成画面

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