WordPressを使用してサイトを立ち上げようと思った場合、初めての方は意外と多くのことに費用がかかりビックリされることも多いでしょう。
しかし、そんなWordPressでも完全無料で使用する方法もあります。
もちろん無料でWordPressを使用する場合はデメリットも発生しますので、この記事では無料で使用する方法や無料と有料どちらがオススメなのかをご紹介します。
WordPress開始に必要なもの
まずは、WordPressでサイト立ち上げを開始する際に必要となる項目をご紹介します。
これらの項目は、無料・有料を問わず必ず必要になる項目となります。
サーバー
WordPress開始に必要となるものの1つ目は、「サーバー」です。
サーバーはWordPressで立ち上げるサイト内に使用するテーマやプラグインだけではなく、テキストやサイト構成のファイルだったり画像や動画といったいわゆるコンテンツの保管場所であり、そのコンテンツを提供するコンピューターとなります。
このサーバーに関しては自分もしくは自社でサーバー機器を購入・設定して利用する方法もありますが、多くの場合はレンタルサーバーというサービスを利用することになります。
ドメイン
2つ目は「ドメイン」です。
ドメインはインターネット上での住所と表現されるもので、WebページのURL生成に必要なものとなります。
具体例としてはhttps://www.kagoya.jp/howto/のURLの中のkagoya.jp部分がドメインに該当します。
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WordPress本体
そして、3つ目に必要なものは「WordPress本体」です。
WordPressは初心者でも簡単にサイト作成が可能になるCMSで、サーバーにこのCMSを導入してドメインの設定を行うことで初めてWordPressサイトを作成し始められるようになります。
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WordPressは基本的に費用がかかる
冒頭でもご紹介の通り、WordPressサイトを立ち上げるには基本的には費用が掛かります。
初めての方には何に費用が掛かり、その費用感がどんなものか分からないことも多いでしょうから、ここで費用周りの情報について紹介します。
サーバーとドメインは有料
WordPressサイトの立ち上げに必要な費用としては、主に以下の2点の準備に必要となります。
- サーバーの契約
- ドメインの契約
サーバーは自動更新契約の月額制であることがほとんどで、稀に1年や2年といった長期契約の一括払いも可能となっており、サーバー提供会社によって初期費用が無料だったり有料だったりします。
ドメインの場合は基本的に1年契約の自動更新か、3年といった長期での一括払いとなっています。
WordPressサイトにかかる費用の相場
例外を除いて上記2点がWordPressサイトの費用として必要になりますが、具体的な費用の相場はどの様なサイトを作るかによって差があります。
特に対外的な体裁を整える必要がない趣味としてのサイトであれば、サーバーもドメインも安く済ますことができますので、この場合の相場としては年間15,000円となります。
特徴 | 相場(年間) | |
---|---|---|
サーバー | ・共用サーバー ・低スペック ・有料オプション無し | 12,000円 (1,000円/月) |
ドメイン | ・個人ドメイン ・人気のないドメイン ・無料SSL | 3,000円 |
合計 | 15,000円 |
対して、法人が運用するようなサイトで、かつECサイトだったりサービスサイトのようにサーバーのスペックやドメインの種類に気を配る必要がある場合は、相場としては年間380,000円と高くなります。
特徴 | 相場(年間) | |
---|---|---|
サーバー | ・専用サーバー ・高スペック ・有料オプションは必要に応じて | 300,000円 (25,000円/月) |
ドメイン | ・法人ドメイン(.co.jp) ・EV SSL証明書 | 80,000円 |
合計 | 380,000円 |
なお、法人であってもアクセスが多くないコーポレートサイトなどの場合は、スペックなどは低くても問題がありませんので年間15,000円と費用を抑えることも可能です。
追加費用の可能性があるもの
WordPressサイトの運用には、サーバーやドメイン以外にも追加費用が発生するケースもいくつかあります。
- 有料テーマ
- 有料プラグイン
- サイト作成代行
- 運用代行
これらの追加費用の金額はピンからキリまであるため、目安となる相場や平均値はありません。
もちろんWordPressサイトを自分・自社で作成し、WordPressで利用するテーマやプラグインをすべて無料にすれば、これらの追加費用が発生することはありません。
WordPressを無料で始める方法
このようにWordPressを開始するにはサーバーやドメインといった費用が掛かりますが、そんなWordPressであっても無料で始められる方法があります。
費用が掛からない点は魅力的ですが、実はあまり推奨できる手法ではないので(理由は後述)、その点は注意が必要です。
WordPress本体は基本無料
前述でもご紹介している通り、WordPress(wordpress.org)自体は無料で利用することができます。よって、ここに関しては変わらず費用がかかることはありません。
ただしwordpress.orgではなく、マイナーではありますがwordpress.comに関しては有料の月額制になることもあります。
基本的に「WordPress」というとwordpress.orgのことを指しますが、wordpress.comというもう一つのWordPressもあります。
wordpress.orgは上記の通り無料で利用できるCMSです。対してwordpress.comはWeb上で利用できる月額制のWordPressとなっており、独自ドメインなしの容量1Gまでは無料ですが、独自ドメイン+容量6GB以上のプランは有料となっています。
さらにwordpress.comはテーマやプラグインなどに制限があるため、基本的にwordpress.comを利用するメリットはないと言えるでしょう。
無料サーバー
WordPressサイトのデータファイルなどの保管場所として必要なサーバーですが、昔には無かった「無料サーバー」というサービスが登場し始めています。
この無料サーバーは、その言葉の通り無料で利用できるサーバーとなります。初期費用も無料で利用できるサービスであるため、何らかの理由でサーバーに1円も使うことができないという方の選択肢になりえるサービスです。無料サーバ―を提供している事業者は日本国内だけではなく海外の事業者も日本向けに展開しており、今後も増えていくことが予想されます。
なお、「なぜ無料で使えるのか?」という疑問が湧いてくるかと思いますが、これに関しては後述のデメリットの章でご紹介します。
無料ドメイン
無料サーバーと同様に、ドメインに関しても「無料ドメイン」というサービスが存在します。こちらも初期費用を含め、取得に関して1円も要することなく利用できるドメインとなっています。もちろんネームサーバー(DNSサーバー)の設定も可能となっているため、WordPressのドメインとして利用することが可能です。
※無料サーバー+有料ドメインや有料サーバー+無料ドメインという組み合わせでも利用可能です。
無料ドメインで有名なところで言えば、freenomなどがあります。この無料ドメインサービスの場合、トップページにある表記だけを見ると無料ドメインでも永久に利用できる様な記述に見えますが、さらに詳しい情報を閲覧すると「無料ドメインに関しては法的な登録者の権利を与えるものではありません」という記載が奥まった場所に記載されています。
そのため、無料ドメインを永久に無料で利用し続けれる保証はなく、実際に急にドメインが利用できなくなり他の事業者に所有権が移っているという報告もされています。
無料のWordPressで発生するデメリット
WordPressは無料サーバーと無料ドメインを利用することで完全無料で使用することが可能ですが、当然この方法でのWordPress利用にはいくつものデメリットが発生します。
広告が勝手に表示される
1つ目のデメリットは、WordPressサイト内に勝手に広告が表示されてしまう点です。もちろん、この広告による収益はサイト管理者ではなく無料サーバーの提供事業者側に入ります。
無料でサーバーを利用できる理由がこの広告表示にあり、サーバー提供側は無料でサーバーを提供する代わりに立ち上げたサイトに集客と収益を任せるという構造ができあがります。
なお、この広告が表示される場所や種類などはすべてこちら側でコントロールすることができませんので、サイトの種類によってはサイト運用の阻害要因になるため、目的をもってWordPressサイトを運用する場合には大きなデメリットになります。
初期設定が難しい
2つ目のデメリットは、初期設定が難しい点にあります。
無料サーバー事業者は複数あり一概には言えない部分もありますが、無料サーバーを利用する場合には以下の様な項目を自分自身で設定、もしくはそもそも不可能である場合があります。
WordPressのインストール | 有料サーバーの場合、「かんたんインストール」といった機能を利用し、サーバーにWordPressのインストールを手軽に行うことができます。しかし、無料サーバーの場合はこの機能が搭載されていないことが多く、自分自身でWordPressのインストールを行う必要があります。 |
ドメインのSSL化 | 有料サーバーではコントロールパネル内で無料SSLを簡単に適用することができます。 しかし、無料サーバーではそもそもSSL自体が非対応の場合が多く、サイト運用の面で不利になります。 |
WordPressサイトの初期設定 | WordPressサイトのサイト名やパスワードなどの設定は、有料サーバーではコントロールパネル上で行うことができます。対して無料サーバーではWordPressのインストール自体を自分で行う必要があるため、ここも自分で設定を行う必要があります。 |
スぺックや機能の制限が多い
3つ目のデメリットはサーバーのスペックが非常に低く、使える機能の制限が多い点です。
特にサーバースペックが低いことによるサイト表示速度の低下はサイト訪問ユーザーに不快感を与えるだけではなく、SEOとしても大きなマイナスになりますので、自然検索からの流入を目的とするサイトの場合は致命的です。
また、有料サーバ―では無料オプションとして当たり前のように使用できる機能なども、無料サーバーでは利用が不可能なためサイト運用に支障をきたす可能性があります。
サポート窓口がない
4つ目のデメリットは、サポート窓口がない点です。
WordPress自体の公式サポート窓口がないことは有料・無料ともに共通ですが、サーバーやドメインに関する疑問を解決できる窓口は基本的に用意されていません。
そのためトラブルに見舞われた場合は、自力もしくはネット上にある情報を元に解決する必要があります。
有効期限が設けられている
5つ目のデメリットは、利用可能な期限が設けられている点です。
特に無料ドメインのサービスによく見られるデメリットで、ある程度の日数をサイト運用してきたドメインは「継続利用するために有料版に切り替えてください」という通知が来ます。
当然これを拒否した場合は、それまで使用してきた無料ドメインが使用できなくなり、サイト表示ができなくなります。また、継続利用する場合であっても相場よりも高い金額になることもあるので、長期運用するサイトでドメインを利用する場合はデメリットでしかありません。
信頼性のドメインを使用できない
6つ目のデメリットは、信頼性のあるドメインを利用できない点です。
無料ドメインのサービスでは、有名な.comや.site、.co.jpなど誰が見ても信頼性があると分かるドメインを選択することはできません。
選択可能なドメインは.tkや.ml、.ga、.caといった日本では見慣れないドメインから選ばなければいけません。
そうなると、初めてそのドメインで作成されたサイトを見た人は「このサイト大丈夫か?」「海外のサイト?もしかして詐欺サイト?」とかなり警戒されてしまい、最悪の場合はサイトにすら訪問してくれない可能性も出てきます。
本格運用に移行しにくい
7つ目のデメリットは、無料サーバー+無料ドメインでサイトを立ち上げた後に本格的にサイト運用をしていこうと思った場合に、有料環境に移行しにくいという点です。
ドメインに関しては無料で取得した信頼性のドメインを割高で使い続ける必要があったり、新しく信頼性のあるドメインを取り直しても旧ドメインで作成したコンテンツをそのまま新ドメインに移動させてしまうと、内部リンクを一から構築しなおす必要があります。
加えて別ドメインにも関わらず全く同じコンテンツとなりますので、コピーコンテンツとして認識され検索結果に表示されない措置を受けるリスクもあり、これの対策も必要になります。
サーバーに関しても通常であればプラグインなど正常にサーバー移行が可能なツールでもエラーが発生し、手動でサーバー移行を強いられる可能性もあります。
そのため少しでも本格的にサイト運用する可能性があるWordPressサイトの場合は、初めから有料サーバーとドメインで開始した方が安全安心に運用が可能となります。
用途によって最適な方法を決める
WordPressサイトの立ち上げには費用がかかるが制限などなく自由にカスタマイズできる方法と、完全無料で使用できる様々な制限を受ける方法の2通りがあります。
この2通りの方法にはそれぞれ一長一短があり、どちらがオススメかはどのような用途でWordPressサイトを運用したいのかによって変動します。
また、条件次第ではどちらも不適切になる場合もあります。
ブログを無料かつ長期運用で検討
【条件】
・趣味のブログ
・無料
・長期運用
この条件の場合は、無料であることが前提となりますので、一般的なWordPressの使用方法は除外します。
そして長期運用を目的としているため、使用期限のある無料ドメインは対象外となるため、そもそもWordPressサイトでは条件が合致しません。
なので、こういった場合にはWordPressではなく無料で提供されているブログサービス(アメブロなど)を利用することが推奨されます。
無料のお試しとしてWordPressを触りたい
【条件】
・WordPressであること
・無料
・お試し感覚で触りたい
この条件ではWordPressであること、そして無料で使用できることが前提となっていますので、一般的な費用がかかるWordPressの使用方法は対象外となります。
しかし、お試し感覚すなわち長期運用するのではなく短期間だけ触るだけの用途であるため、無料サーバー+無料ドメインの組み合わせによるWordPress使用が推奨されます。
また、WordPressのテーマやプラグインなどには興味がなく、単にWordPress自体を触ってみたいという場合にはCMSではなくWeb版であるwordpress.comという選択肢も可能となります。
WordPressを長期で可能な限り安く使いたい
【条件】
・WordPressであること
・有料ただし安く
・長期運用の予定
この条件の場合はWordPressであること、そして長期的に運用するサイトであることから、期限がある無料ドメインでの運用は不可能であるため有料のドメインが必要になります。
加えて、安ければ有料でも可能であることからサーバーに関しても安定したサイト表示が可能で管理が簡単、様々なオプションが利用できる一般的な有料のサーバーが最適となります。
サーバーの細かなスペックに関しては、どの程度のアクセス数を想定したサイトにするかによりますので、詳細なプランの選び方などは別記事でご紹介します。
レンタルサーバーの選び方。用途や基準にすべき5つの項目について
レンタルサーバーは様々な会社が様々なプランを出しているため、初めての方はどの様に選ぶべきか迷われることが多いです。 そこで、この記事ではレンタルサーバーの選び方として、サーバーの用途だったり重要なチェック項目についてご紹介します。 レンタルサーバー選びで重要な5つの項目 なんの前情報もなくいきなりレンタルサーバーを選ぶとなると、確認すべき項目を見落としてしまい契約後に後悔してしまうことがあります。…
また、メール機能は不要で使用するドメインも一つだけしか使わないという場合には、WordPressの使用だけに限定することで費用を抑えたWordPress専用サーバーという選択肢も有効です。
まとめ
一般的には費用がかかるWordPressサイトの立ち上げですが、無料サーバーや無料ドメインといったサービスを利用することで完全無料でWordPressサイトの立ち上げを行うことも可能です。
しかし、無料である代わりに自動的にサイト内に広告が表示されたり、利用期限が設けられていたり、その他機能やスペックの制限などWordPressの用途次第では複数のデメリットが伴います。反対に用途次第ではこれらのデメリットが影響しないケースもあります。
そのため、結局はどの様な用途のWordPressサイトにしたいかによって、どのサーバーどのドメインを利用すべきかが変動するので、まずはWordPressサイトの目的を明確にしてから有料・無料のどちらの方法にすべきかを検討しましょう。
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